BtoC大企業からBtoB SaaSスタートアップに転職してみての半年間で感じたこと
この記事は Monoxer Advent Calendar 2023 7日目の記事です
はじめまして、モノグサのBIZチームでマーケティングを担当している菊池と申します。
弊社Advent Calenderをご覧の方はお気づきの方もいるかと思いますが、PdM岩楯さんとテーマがまる被りしてしまっております。が、まだまだスタートアップに人が足りない日本ではこういう情報はいくらあっても良いだろう! ということで臆せず書いていきたいと思います。
岩楯さん記事はこちら
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妻子持ちアラフォーがスタートアップに転職して1年経った話
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この記事で知れること
・大企業からスタートアップへ、しかも異業種へ転職をした妻子持ち人間のリアル
・toCとtoBのマーケティングの役割とその違い
転職のきっかけ
より裁量をもって仕事をしたい
自分はキャリアとしては、新卒では某自動車メーカーにて営業支援と商品企画に、そして2社目は某アパレル製造業でマーケティングの仕事をしておりました。モノグサは3社目になります。
商材が変わりつつも、一貫してマーケティングに関わっているキャリアだと自認しております。
転職の一つの理由は大企業としてはあるあるだとは思いますが、裁量権が少ないと感じたこと。
仕事に取り組む中で、「そもそもそれは上流から根本治療しなくてはいけないのでは?」というような事案が多く、片足は突っ込んでいましたがなかなか解決に時間を要することが多く、もっと組織の重要課題を解決したい! と思ったことがあります。(もちろん自分の実力不足は前提としてあると思っています。)
また、大企業だと誰かが育てたブランド資産にあやかりながらビジネスをしていたな、と思うこともあり、これから大きなブランドを育てていく経験ができたら素敵だろうな、と思ったこともあります。
さらに働き方としては出社が基本推奨(強制?)されていたため、仕事と家庭のバランスを考えたところもあります。モノグサはリモートワークも柔軟に行うことができます。ありがたや。
縁もゆかりもなかったのですが、モノグサとは運命的な出会いを果たし、ミッションに共鳴して入社いたしました。
自分にとってのマーケティングとは?
前提、ここを書かないと参考になりにくいかなと思い記載いたします。
・マーケティングとは価値を生み出し、伝え、交換する一連のプロセス全てに関わること(byアメリカマーケティング学会)
・マーケティングとは経営である(by 株式会社ファミリーマート CMO 足立 光さん)
・マーケティングとは選ばれる確率をあげることである(by 株式会社刀 代表取締役兼CEO 森岡 毅さん)
マーケティングとは集客やプロモーションだけでなく、経営課題を解決するための重要な概念だととらえております。
モノグサでやっていること
主に2つのことを担当しております。
1つは、カスタマーマーケティング領域の立ち上げ。
お客様が増えるにしたがって、なかなかカスタマーサクセスチームがサポートすることができない方々へ価値のある情報提供ができることを目指して、戦略の立案〜施策の実行まで行っております。
イベントやセミナー、SNS、WEBサイト、あらゆることを使ってすべきことを検討しています。
2つめは、ブランディング領域。
弊社のミッションである「記憶を日常に。」するまでの道のりをブランドの視点から組織が考える、実行していくお手伝いができればと思っております。
特徴としてはマーケティングチームの役割がTHE MODEL的なリード獲得~商談創出だけではなく、多岐にわたっております。本来の意味で言うマーケティングが組織全体として機能するようにしたいなと思っております。(マーケティングは4人チームで上記は1人担当)
どちらの領域も道半ばですが0→1に近い領域で非常にチャレンジングで刺激的な日々をおくっております。
大企業→スタートアップで意外に役に立つと感じたスキル
効率的な組織運営の仕組み
他社のスタートアップ採用担当の知人から聞いたのですが、「大企業はスタートアップがいずれたどり着きたい姿であり、その姿を知っていることは一定の価値がある」とのことです。
スタートアップはいろんな観点で未整備の領域が多く、大企業で先人が作り上げた優れた仕組みを ”ただ知っている” ことがアドバンテージになる、ということです。
その点モノグサは大企業出身のメンバーも多く、組織運営の重要性を認識しており、初期からかなり考慮されているような印象を受けました。創業者やメンバーのキャリアは組織カルチャーを推定するのに参考になるかもしれません。
多様な関係者との連携
大企業では良くも悪くも分業が進んでいるので、1つのプロジェクトを進めるために多くの部署や人と関わることになります。 100人規模を越えてきたスタートアップでは、このPM的なスキル・ファシリテーション力・合意形成のための資料作成技術などが意外に役立つ気がします。
大企業で、ベンダーを動かしているだけ、承認のための資料を作っているだけ、そんな仕事に価値があるのか? と悶々とした思いをされた経験のある方もいるかと思いますが、大企業の複雑なビジネス・組織状況において課題を整理したりプロジェクト・マネジメントをした経験がある方は活きると思います。
大企業→スタートアップでアン・ラーニングが必要な点
お金よりも頭を使う
スタートアップにおいては大規模なマーケティング予算はないことが多いと思います。お金を使ってたくさん広告を打って世の中にアピールしたい! というよりは、頭を使ってどうにか課題が解決できないか? と考えることが必要になってきます。
自分はプロモーションをがんがん打ちたいのではなく、「マーケティングの観点から経営課題を解決したい」と思っていたのでマーケティング予算は特に重視していませんでした。 大規模調達して一気に認知を取りに行くぞ!のようなフェーズのスタートアップはこの限りではないかと思いますが、どういうフェーズの組織なのかはよく確認した方が良いと思います。
走りながら考える(ウォーターフォール型→アジャイル型)
大企業だと、企画→承認→実行(投資)という流れでマーケティングや商品開発のプロジェクトが進むことが多かったのですが、スタートアップではもちろんお金を使う際の承認は必要なもののどんどんやれるところは実行を進められる印象です。むしろ、短期的な実行をしながら、中長期的な戦略にフィードバックしてその時に必要なリソースの調達を交渉する、ようなアジャイル型(と呼んで良いかわかりませんが)でプロジェクトが進んでいます。
大企業だと、プレゼン・承認通ったー!イエーイ!のような瞬間があるのですが、今の会社だとあれ?気づいたらけっこう進んでいる。ような戦略と実行がグラデーションになっている感覚です。
個人的にはアジャイル型の方が、市場のフィードバックを得ながら精度をあげていけるので本質的には良いな、と感じております。
toC → toBのマーケティングで役に立つ点・新たに学ぶ必要がある点
顧客視点はなによりも大事
toCでもtoBでもお客様がどういう人で、何を望んでいるのか? 理解する術は重要だと感じています。マーケティングの業務の中で、顧客のペルソナを作ったり、顧客インタビューをしたり、活動の中からインサイトを見つけ施策に落とし込んできた経験はどの業種のものでも役に立つと思います。
ブランド・マネジメントに関しての経験
現在のブランド価値上位ランキングにはテック企業が並びますが、ブランド・マネジメントに関して最も歴史があるのはやはりP&Gやコカ・コーラといった消費財企業です。そういった企業出身の方々は様々なBtoC企業に在籍していて、その知識がかなり染み出しています。一方、BtoB業界には一定存在するものの進出しきっていない気がしており、長年消費財業界で培われた手法は応用が可能だと考えております。体系的に主導した経験がなくても組織としてブランドを重視するカルチャーに属していたことが大事。(と、信じたい)
プロダクト・マーケティングの経験
BtoCのメーカーにおけるプロダクト・マーケティングの基本的な考え方の1つとして、「商品の価値を見つけ出して、顧客に適切に伝えていくこと」というものがあります。そのために、開発メンバーにヒアリングをしたり、海外の工場に行って製造現場を取材したり、顧客の声を聞いたりという活動を行います。こういった考え方はBtoB SaaSにおいても有効だと個人的には考えています。
製造業のプロダクトでは「価値はプロダクトに内在されているもの」と考えますが、SaaSでは顧客にも仕事をしてもらって「価値は共創するもの」と考える視点が必要かなとは思っています。
クリエイティブ制作
特に取り扱う商品数の多いtoC企業は大量のクリエイティブ制作をして、お客様へ訴求することが基本となります。その経験の量と幅はBtoBでマーケティングをする上でも引き出しとしては価値があると思います。
BtoBマーケティングは結構違う、新たに学ぶ必要あり
リード・マネジメントをはじめとするBtoBマーケティングに関する基本的な考え方、手法はかなり異なるのでここに関しては学ぶ必要があるなー!と感じております。コンテンツ制作などはBtoCで経験ある方は応用可能だと思います。自分はWEBマーケティングに強くないのでここも強化しないといけない領域です。
半年を振り返って
モノグサの皆さんのおかげさまで、なんとか楽しく働くことができています。
実際に働いてみての感想は「大企業でもスタートアップでも、BtoCでもBtoBでも根本的に大事なことは変わらないことが多い」と感じております。どんな状況でも顧客を見て、本質的なインパクトを追求する。そして経験がある領域でも物事は常に変化しているので、好奇心と学び続ける姿勢が大事だと感じております!
個人的に「日本の組織・社会において、マーケティングの影響力を高めていきたい」と思っており、ぜひマーケターがいろんな領域にチャレンジしてもらえると良いなと思っております!
Monoxer Advent Calendar 2023
Monoxer Advent Calendar 2023では、開発、ビジネス、コーポレートの様々な職種のメンバーが毎日1つずつ記事を公開していく予定なので、是非明日以降もチェックしてください!
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