
スタートアップのひとり経営企画奮闘記
この記事は Monoxer Advent Calendar 2024 20日目の記事です。
はじめに
こんにちは、モノグサで経営企画(社内呼称はCorporate Planning)を担当している山本です。私のモノグサへのジョインは2021年1月。こちらの記事の執筆現在、年の瀬の足音が聞こえてくる2024年12月ですので、「もういくつ寝るとー、まる4年~♪」と口ずさむ頃になってきました。色々兼務はしつつも一貫して経営企画として担当してきた4年間でして、従業員数も売上も費用もすべて、桁が変わっていく過程を体験してきました。
モノグサでは11月についに二人目の経営企画にご入社いただき、「ひとり経営企画」を卒業しました。今までは一人部署ゆえに属人的業務の権化として(大反省)進めてきてしまっていたのですが、二人目のご入社にあたり「これまでの経営企画とこれからの経営企画はどう変わっていくのか?」ということを考えてみたところ、世の中で戦うスタートアップ経営企画、特に「ひとり経営企画」の方々に少しは参考となることをお伝えできるのではと思い、筆を手に取りました。
ちなみに、二人目としてどんな方にご入社いただいたかについてはいずれインタビュー記事なども掲載できればと思いますのでそちらをご参照ください。
ひとまず、この記事は私の自分語りの記事としたいと思います。
経営企画って何?
そもそも経営企画とは何をする部署なのでしょうか?同じCorporate部門に属する組織(法務や経理など)と比較して、業務内容やミッションがイメージしにくい組織だと思います。
2021年当時、経営企画で入社する際にとりあえずWikipediaで調べてみました。(3年違えばChatGPTに聞いてみてただろうなぁ)
「経営企画」の定義は組織体によって千差万別ではあるが、「経営戦略、経営計画、経営組織を立案し、業務監査に関る機能」[1]とされることもあり、会社の政策を樹立し将来の絵を描く機能[2]、とも言われる。
>また、「戦略目標を指向した計画の立案」と「遂行に当たって経営資源の最適配分」はトップマネジメントから経営企画部門に期待される機能と言えよう。
早速「組織体によって千差万別」と言われてしまうし、期待される機能としての当時の私の直感は「に、、、荷が重い、、、」という印象です。
ただ一方で、私の心を救うこんな記述も。
企業の成長の時間軸に沿って考えてみると、まだ小規模な段階の会社においては、経営者自らがこうした業務を行うことが多い。だが、従業員数が125名程度を超えると、企業は質的転換を迫られ、社長個人の直感に頼ってばかりはいられなくなり、組織に経営企画機能をしっかりと持たせることが必要になる[3]ともいう。
実体験としてこの記述は一定正しい気がします。私がジョインした2021年、モノグサが20名強くらいの頃から直近までは、かなり経営陣(私の場合、直属のレポートラインであるCFO)と二人三脚的にこれらの業務を行ってきました。
ただ150名程度になってきた現在のモノグサでは、次々と広がる事業領域、複数階層化する組織、それに伴う必要な意思決定量の増加・複雑化に伴い、経営陣が直接的にすべての情報を集約し戦略や計画策定をすることは難しくなり、適切な役割分担とこれらの業務が実行されていく仕組みが必要になってきています。
現時点の私の理解ですが、経営企画の役割の一つとして、こうした仕組みを作る役割、その仕組みが適切に回るようにマネジメントする役割があるのだと考えています。そしてこれらの仕組みは一度作ったらルーティンのように回せばよいのではなく、会社の状況によって適切な仕組みは変わり続けるため、メンテナンスやチューニングをし続ける必要があるのだと思っています。
ひとり経営企画をやってみて
先ほどWikipediaから引用した通り、会社が一定規模になるまでは経営陣自らによる戦略・計画策定となるのが一般的なようです。そんな中ひとり経営企画の私が何をやっていたのかというと、「経営陣の外部CPU」であったといえると思います。
振り返ってみると担当してきた主要業務は、
・資金調達や株主等ステークホルダーとのコミュニケーション
・事業計画の策定
・事業進捗のモニタリング
などなど、主語は「経営企画(私)」というより「経営陣」だと思う業務が並んでいます。(その他にも全社MTGやSO制度の運用など、経営企画が主語となってよい業務も一部あります)
ただ、これらの実行には大変多くの作業や検討(情報収集・分析・論点整理やアウトプット素案の作成など)が必要になります。これらをすべて経営陣が自らの手を動かして行うことは現実的ではなく、経営企画抜きでは(少なくとも実行してきたクオリティでは)無理だっただろうと自負しており、それなりに会社に貢献してきたつもりです。
また個人としても、こうした実務を経験したことや経営陣と非常に近い距離感で大きな意思決定をサポートしてきたことにより、自分自身のスキルや視座が磨かれた感覚は強くあり、本当に貴重な機会に恵まれたなぁと振り返っています。
※モノグサ入社前の私は不動産営業からコンサルタントに転身して2年弱という経営企画としては心もとないキャリアでして、大学も商学部に進学したものの簿記論の単位すら落としたまま卒業するという体たらくの人間でした。そんな人間をひとり経営企画として採用しここまで育ててくれた会社の懐の深さにただひたすらに感謝です。
これからの経営企画
前述した通り、会社の成長に伴い経営陣による直接のマネジメントが難しい規模感になってきており、経営企画を「全社のマネジメント機能」として強化する必要を感じています。
それは事業計画等を策定する今までのプロセスを会社のフェーズに合わせチューニングすることはもちろんですし、意思決定のプロセスとして取締役会や経営会議などを運営することなども含まれます。
また、財務データ等を有効な意思決定につなげるための分析基盤を整えたり詳細な分析をしていくこと、経営陣のみならず戦略の実行を担っている各現場で意思決定を行いやすい仕組みを整えることなどなど、やったほうが良いことを上げていくと枚挙に暇がありません。
経営企画が二人になって早1か月。新メンバーの方は早々にキャッチアップを済ませ、早速次々と課題解決に取り組み始めていただいています。
人が増えて改めて実感したのですが、経営企画は担当するスコープが良くも悪くも流動的な分、リソースが増えただけ解決すべき課題も増やすことができ、どんどん会社をよくできる組織だと実感しています。
まだまだ仲間を増やしていきたいと考えていますので、「年々フェーズが進む会社で経営管理機能を構築する」ということに少しでもご関心がある方は是非お話しさせてください!