スタートアップの1人総務が取り組んだ「自社らしい」オフィスデザインの第一歩
こんにちは!
モノグサ株式会社のGeneral Affairs(総務)担当として働いている、藤下です。
スタートアップあるある:オフィス移転・オフィスリニューアル
組織変化のスピードが早いスタートアップ企業では、しばしば、組織拡大や働き方の変化に伴う「オフィス移転」や「オフィスリニューアル」が話題にあがるかと思います。
私は、前職・現職ともにスタートアップのバックオフィスで働いているのですが、毎年色々な角度から、「オフィスをどう活用するか」を考えておりました。
「本社移転を行いたいが、周辺にちょうどいい物件が無い…」
「それなら近くに分室オフィスを借りる?」
「でも、オフィスを分けると、どうしても一体感がなくなってしまうよね」
「それならレイアウト変更をして、フリーアドレスを導入するか」
「というか、物件の契約更新のタイミングは今年だけど、今のオフィスが手狭になるのは1年半後なんだよね…」
などなど、物件の空き状況や、その時々の坪単価の相場感など、外部要因にも悩ましいことが多いのも事実ですよね。
加えて、オフィスの家賃が与えるコストインパクトは非常に大きい…!かつ、組織が大きくなればなるほど、移転のコストや内装費なども大きくなるので、かなり複雑性の高い意思決定だとも思います。
そして、移転と同時に検討されるのが、オフィスのレイアウト変更や、デザインの話。
特にスタートアップ企業であれば、“オフィス=自社のカルチャーを表現する場所”として、こだわりたいと考えられることが多いのではないでしょうか。
コーポレートサイトや採用Deckの写真でよく見る、カッコよくて機能的なオフィスに憧れはありつつも、まだそんなに予算はかけられないよ!と頭を悩ませている方も多いかと思います。
そんな中で、コストを抑えながらも「自社らしい」そして「働きやすい」オフィスを作るコツを、こちらの記事ではご紹介できればと思います。
オフィスは社員全員が使う場所。オフィスづくり=会社のありたい姿や、バリューやカルチャーについて考えること、そしてそれを、オフィスの空間に落とし込むこと、だと思います。
それでは、どのように「会社のカルチャー」を「モノ」に落とし込んでいくのか、モノグサの取り組みをご紹介します。
「自社らしさ」を出すのは後!まずはオフィスの雰囲気をまとめることが大事
オフィスづくり、オフィスの内装設計、と思うと、どこから手を付けていいかわからない……、となりがちですが、特にスタートアップのような、比較的小規模なオフィスであれば、「広い家」と同じようなイメージで、まずは普通に「インテリア」を考えるのが良いと思います。
ここからはある種一般論ですが、最初は以下のイメージで進めてみるのがおすすめです。
オフィスのイメージを作る
Pinterestやinstagramなどのサービスや、Web上のオフィス紹介記事などを使って、オフィスの内装イメージを作りましょう。
海外サービスでは「home office」などのキーワードで検索すると、いわゆる実際のオフィスではなくとも、イメージに合うような画像が見つかることがあります。
「こんな感じにしたいな」と思うようなオフィスの写真を集めることが、内装決定の第一歩です。
この段階で、以下の3点が決まっていると良いと思います!
オフィスのコンセプト
→一言でいうと、〇〇なオフィス!という言葉を決める
直線的か曲線的か
→ 家具の選定に必要なので、決めてあったほうがいい
→直線の方が面積効率は良い
カラートーン
→基本的には、ホワイト系/ブラウン系/グレー・ブラック系どれかをメインカラーにすることになる
→寒色・暖色のどちら寄りの色使いにするか
→キーカラーを決める(コーポレートカラーをキーカラーにすることが多そうです!)
※区画によってコンセプトや、カラートーンを変えることは可能ですが、綺麗に見せるのがやや難しいので、基本的には統一のものを作ることをおすすめします
バリューやカルチャーをどのように表現するか?
オフィスの大枠のイメージができたら、そこから、会社のバリューやカルチャー、ミッションなどをオフィスに落とし込みたいですよね。
とはいっても、「オフィス移転」のWeb記事などを見ると、デザイン性の高い上質な家具がふんだんに使われていたり、そもそも面積がかなり広かったり、こんなの真似できないよ!と思われたことはないでしょうか。
いわゆる「意匠」やデザイン性の高い「モノ」を使って会社を表現するには、なかなか予算の都合がつかないこともあると思うのですが、例えばモノグサでは、こんな工夫をしています。
壁のカラーをコーポレートカラーに
最もリーズナブルに、文字通り「会社の色」を表現しやすい部分かと思います。
モノグサでは、エントランス〜廊下の部分のみ、壁面をブルー(社内通称:モノグサブルー)にしています。
コーポレートカラーによって、色が強すぎる場合は、彩度などを調整すると良いかもしれません。
大きなボードゲーム棚&特注のボードゲームテーブルスペースと、シンプルな執務スペース
会社のバリュー、「ものぐさで行こう」(いつでもボードゲームを遊ぶ余裕を持つ:私たちは社名の通り、“ものぐさ”さを大切にしています。「ものぐさ」であるとは、物事の本質を見極め、真に重要な課題に取り組むこと。また、常に一定の余裕と広い視野を持っている状態のことだととらえています)に沿って、みんなでボードゲームを楽しめる場所は、広めに確保&職人さんに作っていただいた特注のボードゲームテーブルを設置しており、会社らしさを表すアイテムとして長らく活躍しています。
一方で、執務スペースはとてもシンプルで、(生産性との関連が深いと考えられる)机の広さと椅子の質にはこだわるものの、椅子に求めるのは「機能」なので、中古でもOKとするなど、こだわるポイントとリーズナブルにするポイントを使い分けています。
変化できる/身軽な状態であること
ドーンと大きな本社オフィスを構える前の段階では、オフィスの家具やモノを増やしすぎないことも、人員数の変化や、ワークスタイルの変化が起こりやすいスタートアップにとっては大事な点だとも思います。
今後も定期的に移転の可能性がある場合は、将来のレイアウト変更が容易なこと、引っ越しが楽になること、も念頭において、オフィスを作るのがおすすめです。
モノグサでは、執務デスクや椅子などはシンプルかつ統一のものを購入しており、次のオフィスでも使い続けられるものをできるだけ選んでいます。また、数年後も同じものが買い増しできるよう、一定、名の知れたオフィス家具メーカーのものを選定するのもポイントです。
一方、本棚や小物棚などは、移転をした場合、幅や高さがしっくりこないことも多いので、逆にあまりこだわらず、比較的安価なものを選ぶ傾向にあります。
みんなが集まりやすい「アクセス」にこだわる
モノグサではハイブリットワークを導入していますが、やはりコミュニケーションの観点で、定期的な出社も推奨しています。
出社を促すための施策は色々あるとは思うのですが、最も効果的なのは、オフィスそのものがアクセスのいい場所にあることではないでしょうか。
モノグサは飯田橋駅徒歩1分で、JR中央総武線、東京メトロ東西線、有楽町線、南北線、都営大江戸線も使えます。
スタートアップの限られた資金の中で、出社率の向上に最も影響がありそうな「立地」に一定投資をしたことは、モノグサという会社の考え方に近いな、と感じることでもあります。
今回の記事の作成にあたり、改めてオフィスを見回しましたが、正直、モノグサのオフィスはものすごく特徴的であるとか、先進的である、というわけではありません。
ただ、私は、ある種「シンプルで簡素」なオフィスが、「本質的インパクトに執着する」をバリューに掲げるモノグサらしいな、と感じています。
自社の話が多くなってしまいましたが、バリューやカルチャーの表現は、インテリアやオブジェではなく、このような「機能」や「要素」、「意味づけ」に落とし込むことで、比較的リーズナブルながらも自社らしいオフィスづくりができると考えています。
「いい感じのオフィス」を作るTips
ここからは細かい点ですが、「なんとなくいい感じのオフィス」を作るポイントを紹介します。
必要なく色を増やさない
小物を含め、色は先ほど決めたカラートーンにできるだけ統一しましょう。例えば、カラフルなティッシュをやめる、ティッシュをティッシュケースに入れる、だけでも結構印象は変わります。
家具の微妙な色味の違いに注意!
白やブラウンの家具などは、色味が揃っているかを必ず確認しましょう。
特にブラウンは、色味の幅が広いので注意です。
とにかく測ってぴったりの家具を見つける
家具のサイズがぴったり合っているだけで高見えします!
「専用品」をできるだけ見つける
細かい物の置き場に困ったり、収納がしっくりいかないときは、「専用品」がないか探してみましょう。
クイックルワイパー立て、ウェットティッシュ専用収納ケースなどなど。上手く収納できないものには、意外と専用のケースが売られていたりします。
「あとから追加」できるものを買う
前の段落と重複しますが、特に什器などは同じものが買い足せるよう、一定有名なメーカーのものを選ぶこと、極端な型落ち品を選ばないことは大事です。
「買い足し家具」についても目を光らせる
最初にオフィスづくりを考えた方以外が、追加で家具を買われることもあるでしょう。
そんな場合も、最終的な家具の選定には関わり、色味やトーンがオフィスに合っているかどうかを確認するのが、統一感を保つコツです。
モノトーンの空間だったのに、急に茶色い本棚が買われている!なんてことは起こりがちです。
縦を上手くを使う
スタートアップであれば、どんどん人員増をした結果、執務スペースが足りなくなり、またすぐに移転をせざるを得ない…という場合も多いと思います。
オフィスの面積は貴重なので、本棚やラックなどにはある程度高さがあるものを選ぶと、面積効率は良いです。(ただし、地震対策などはお忘れなく!)
面倒だけど配線は頑張る
これも当たり前といえば当たり前ですが、配線は最初にこだわってきれいにしてしまうことをおすすめします!
配線を綺麗にする補助グッズもたくさん売られているので、面倒ですが引っ越しのタイミングなどに綺麗にしてしまいましょう。
掲示物もカラーコードを守る
オフィスにお知らせポスター等を貼ることも多いと思うのですが、掲示物もできる限りオフィスや会社資料等のカラーコードを守って作ること、一定期間以上使う掲示物は、デザインなどもこだわることが、オフィスをスッキリ見せることに繋がります。
オフィスは「想い出の舞台」
今は、出社/リモートを組み合わせたハイブリッドな働き方を選択されている会社も多いと思うのですが、それでも、オフィスは人生の中の多くの時間を過ごす場所です。
そのため、私は、オフィスは「想い出の背景になる」場所だと心から思っています。
スタートアップでは、資金が継続する期間を「ランウェイ」と呼びますが、私はオフィスはみなさんの働く「ステージ」だと思っています。
そのステージが、「過ごしやすい場所かどうか」「仕事がしやすい場所かどうか」は、会社の全員へのインパクトが大きく、非常にレバレッジの効く部分だと思いますので、非常に考えるかいがあり、General Affairs(総務)がメンバーに対して貢献できる部分かつ、考える価値のある部分ではないでしょうか。
この記事が、オフィスづくりに取り組まれる方にとって、少しでも参考になれば幸いです!
モノグサ株式会社では一緒に働く仲間を募集しています。
少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひお話しましょう!