【CEOインタビュー】モノグサにおけるセールス組織の強みと育成スキーム #2
モノグサのセールス組織について、代表取締役CEO竹内が語るインタビューの第2回です。(第1回はこちら)今回は具体的な「42のセールススキル」を構築したストーリーと具体的な内容についてお話を伺いました。
100人の成功事例を言語化した「42のセールススキル」
竹内「セールススキルとはそもそも、商談相手と良好にコミュニケーションをする上で必要な要素の中で、“知っているだけでは実行できない対人コミュニケーション”を指します。商品内容や販売関連の情報は、知識として持っていれば行動に反映することができますが、スキルを実践に活かすためには、自分は何が苦手で何が足りないのか、それをどう埋めればよいのかを知り、足りないスキルを伸ばす訓練が必要となります」
モノグサにおいて言語化・体系化されている「42のセールススキル」はどのようにつくられたのでしょうか?
竹内「42のセールススキルのベースは、私の前職時代にあります。前職の株式会社リクルートに入社後、最初は中古車販売サービスの広告営業を行っていました。そこで最年少で営業部門の全社表彰を受賞し、その後新規事業“スタディサプリ”の立ち上げを経験しました。事業の成長に応じて、100人に及ぶセールスの育成に携わりました。その過程でセールススキルを言語化し、育成・評価の基準を定めました。これが現在の42のセールススキルの土台となりました」
なぜ、社会人5年目というタイミングで、セールススキルを構築することができたのでしょうか?
竹内「私が営業として社会に出た2010年は、アメリカのサブプライム問題がきっかけで世界的な不況に陥り、さらに翌年は東日本大震災が起こりました。黙っていてもモノが売れる時代ではなく、セールスに工夫やアイディアが必要とされるようになったのです。そこで試行錯誤しながら構築した独自のスキルが生まれ、結果的に営業部門の全社表彰受賞に至りました。そのスキルをそのまま自分だけものにするのではなく、誰でも利用できるようにするにはどうすればよいか? そういった中で重要だと考えたのがセールススキルを言語化し体系化することでした」
「見て覚えなさい」、「自分についてきて同じ行動をとりなさい」、といった古い営業育成スタイルではなく、「具体的にどうすれば売れるのか」を言語化し、理解しやすく身につけやすいスタイルにまとめていったんですね。
竹内「はい。実際に前職時代に、100人のセールスたちがこのスキルを習得し、営業活動を行う中で、このスキルが営業成績と相関する事を確信しました。その後、ブラッシュアップを続けながら、現在モノグサで使われている42のセールススキルに落ち着きました。」
顧客のニーズ顕在化度合いに応じた4段階の「レベル」
竹内「実際に42のセールススキルとは、どのようなものなのか説明します。レベル0では、『社会人としての最低限のマナーを身につける』ことを目標としています。“目を見て話すことができる”、“相手が不快にならない適切な言葉遣いができる”など、言葉の使い方から顔の動きなど、セールスの土台となるスキルを定義しています。一つ上のレベル1は『情報の非対称を埋める』ことを目標としたレベルです。話す速度を商談相手より若干遅くするなど、高い技術が必要となってきます。
レベル1で最もつまずきやすいポイントは、“「あのー」、「えーと」などのつなぎ言葉を使わない”というスキルです。意味を持たないつなぎ言葉を発してしまうということは、自身の話したい内容を100%正確に発話出来ていない事を意味します。一見簡単そうに感じる『情報の非対称を埋める』というレベルも、モノグサ社内で認定されるには相当のトレーニングが必要です。
セールススキルは段階的に4つのレベルに分かれており、上のレベルに上がるには、検定をクリアしなければなりません。ここまで厳格にレベルを管理するのは、各セールスのスキルにあった顧客群を任せることが、売上の向上やプロダクトの質の向上につながるからだと考えています。」
セールススキルに合った顧客群を任せることが成功につながる
竹内「モノグサのセールスメンバーは、それぞれのレベルに合ったクライアントを担当します。すでにモノグサのプロダクト『Monoxer』に興味を持ち導入を考えている顧客はレベル0のセールスが担当し、ニーズには自覚的だが『Monoxer』を知らない顧客はレベル1、ニーズは存在するが自覚的でない顧客はレベル2のセールスが担当します。そして最上位のレベル3を満たすセールスは、現段階ではニーズが存在しない顧客の対応が可能です」
なるほど。個々のスキルに合わせて顧客を担当するとした場合、セールス組織としてはどういった状態を目指しているのでしょうか?
竹内「各セールスは最終的にはレベル3のスキルの習得を目指しています。一方で、レベル3のセールスたちが一生懸命にならなければ売れないプロダクトは果たして良いものでしょうか?レベル3で売れるものよりもレベル2、レベル2よりレベル1。究極はセールスがいなくても売れるプロダクトがより良いプロダクトだと考えています。あらゆる顧客が自然と手に取ってくれるプロダクトになることが、従業員全員の目標です。
実はセールススキルは、より良いプロダクトをつくる上でも非常に重要な能力です。レベル3のスキルがあれば、新規事業の立ち上げを手がけることも可能になります。それは、なぜか? 次回は、セールススキルと事業開発の関係についてお話します」
次回、#3にてセールススキルと事業開発の関係や、モノグサでの「事業開発」の在り方についてより詳しくお話いただきます。
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