いいデザイナーってどこにいるの?モノグサ社、はじめてのデザイナー採用設計
こんにちは!デザイナーのmoyoです。2019年頃から、Monoxer, Inc.でアプリ、WEB管理画面のデザインやチーム拡張の仕組みづくりを担当しています。
早速ですが、2020年冬の私 ↓
当時、本当に困りました。モノグサ社に転職するまでデザイナー採用に携わった経験がなく、転職活動の経験もなかったため、知見は0。
困った末、ジョブディスクリプション作成から、面接設計、採用まで何を行ったか、設計過程を振り返ってみたいと思います。今まさに困っている方の糧になれば幸いです。
結論、「いいデザイナー」は存在しません
最初に結論です。いろんなところで言われていますが、「いいデザイナー」は存在しません。存在するのはマッチ度の高いデザイナーです。そしてそのデザイナーさんに出会うには、言語化と社内理解が不可欠でした。
「いいデザイナー」の解像度を上げる
デザイナー採用に取り組む全ての人が一度は探すであろう、幻の「いいデザイナー」(自戒)私も例に漏れずいいデザイナー探しからスタートし、2秒で壁にぶち当たりました。人物像の解像度が低すぎて、ジョブディスクリプションを書けなかったのです。
では、どうすれば解像度が上がるのか?
ひとまず、デザイナー事情(市場)調査から始めました。具体的に取り組んだことは...
1. デザイナー採用を頑張っている先駆者に話を聞く
リファラル採用の重要性、スキルフィットとカルチャーフィットをどちらもこだわること。そして、作りたいチームを作ることが出発点であることを教えていただきました。
2. SNS経由でデザイナーと知り合い、転職のきっかけを聞く
仰げば尊しbosyuのおかげで、2週間で10名のデザイナーさんとお話ができました。転職のきっかけを伺ううちに、転職を考える2大ペインは経営層のデザインへの理解の低さ、入社する前と後のギャップの大きさであり、同時に転職先探しで重視するポイントであることが見えてきました。
「いいデザイナー」探しからの脱却
デザイナー事情を調査したことで、面接過程ですり合わせるべきポイントが明らかになり、採用の出発点は作りたい理想のチームを描くこと、という大きな気づきもありました。
また、「いいデザイナー」は絶対的な存在ではなく、選考過程で弊社と求職者が一緒に考えすり合わせていくもので、事業フェーズによって刻一刻と変化するもの。その正体は、マッチ度の高いデザイナーだと分かりました。
本+カルチャーから理想のチームメンバーを言語化
方針が分かれば、あとは作るのみです。
『デザイン組織のつくりかた』(BNN新社)を参考に、5名段階での理想のチーム構成から、そのメンバーが持っているであろうスキルやマインドを逆算していきました。
更に会社の特徴や雰囲気を付け足し、改変を経て出来上がったジョブディスクリプションがこちらです。
弊社は職種に関わらずUXへの関心が高いため、メンバーとの議論から仮説を導き、具現化できるスキル、学習意欲の高さを重視することにしました。
実装フェーズ!一次面接は半構造化インタビュー
一緒に働きたいデザイナー像が明確化したら、次はいよいよ実装フェーズです💪 「他の職種から見ると、デザイナーは何を見て採用したらいいかわかりにくい」と社内で指摘があったため、一次面接の設計と文書化から始めました。
画像は、実際に利用しているスクリプトです。C列にジョブディスクリプションの要件を記入し、F列にその要件を掘り下げる質問を記載しています。半構造化インタビュー形式で組んでおり、適宜質問をカスタマイズしています。
スクリプトを明確化したことで、「デザイナー採用よくわからない...」という声もほぼなくなりました。スクリプトは社員なら誰でも見られるようにしています。
技術面接はCS、エンジニア、デザイナーとの議論
実際に一次面接を実施したところ、こんな課題が発生しました。
そこで、デザイナーもエンジニアと同じく技術面接を実施することに決めました。お題に対して議論するホワイトボード面接で、デザイナーだけではなくCS(カスタマーサクセス)とエンジニアも参加します。
デザイナー事情調査で明らかになった、経営層のデザインへの理解の低さ、入社する前と後のギャップの大きさ、という2大ペインも解消できるよう、上記を目的としました。(弊社の選考を受けていただくと、技術面接の最初に全く同じことを言います笑)
実際のお題は紹介できませんが、主に議論を重視しています。普段の業務でも議論をする機会が多く、他職種との相性も重要なポイントだからです。
デザインの特性上、デザイナーによって得意領域が大きく異なりがちなので、技術面接の内容から求職者にモノグサがマッチするかを複数の職種の観点から議論しています。
案外評判が良いホワイトボード面接
日本での実施例がほぼ見つからなかったのですが、求職者さんからの評判はかなり良いです。最後の振り返りの時間で、よく「楽しかった」と感想をいただきます。
デザイナーは経歴によってポートフォリオや制作物を開示できないケースがあるため、その側面でも技術面接はフェアな手段だと考えています。
最終面接はボードゲーム+ボードメンバー面談
最終面接は、ボードゲームで遊ぶ時間があります笑 これは全職種共通です。
さいごに
今回はわからん爆発期〜設計過程をご紹介しましたが、本当に大変な運用フェーズはあらゆる方々のご協力を賜って成立しています。
カジュアル面談はCTOやCEOが、エージェントコミュニケーションや戦略は人事が、入社されたデザイナーさんも面接を担当してくださっています。
選考過程でお互いをしっかり知れるように。お互いが「マッチ度が高いデザイナー」だと確信できるように。今後も改良を続けていきます。
読んでくださり、ありがとうございました!
モノグサのデザイナー職に興味のある方は採用サイトのカジュアル面談フォームか、Twitter @moyoにご連絡ください🙌