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【INTERVIEW / Content Architect】記憶は“世界の隅々にまで”届けられる価値!数学における苦しみの解消を通じ、一人ひとりの人生に貢献していきたい

2023年2月に入社し、Content Architectのポジションで活躍する大槻さん。これまでの経歴から、モノグサでの働きがいや、今後の目標について詳しくお話しいただきました。


数学を通して得た自信と、世界に役立つことがしたいという思い

――モノグサ入社前の経歴について教えてください。学生時代はどのようなことを学ばれていたのですか?

大槻:大学生の頃は航空宇宙工学、大学院に進んでからは数理工学を専攻していました。

数学は子供の頃から好きでした。きっかけは、おそらく幼稚園の頃に通っていた公文式教室ですね。幼少期の私は、運動は苦手な方だったようですが、算数は得意で、たくさん褒めてもらえた記憶があります。そのことが、「自分にもできることがある」という自信になり、後々どういうことに興味を持って取り組むかに影響していきました。今につながる、人生最初の成功体験だったと思います。

数学を好きになることはもちろん、将来は数学を活用して世界に役立つことがしたいと思うようになりました

数学に関わる道に進みたいと思い、東京大学工学部に進学します。東京大学では、3年生からの専攻学科を決める進学振り分け制度があるのですが、ここで私は、数学専門の学科ではなく航空宇宙工学を専攻することに決めました。数学は好きだけれど、数学だけに閉じたくないという思いがあったんですよね。それは学問としてだけでなく、関わる人の幅広さに関して、特に感じていました。私は、純粋に人と関わるのが好きなので、多様なパーソナリティーを持つ人と多く関わる機会を学部・学科を超えて得たいと思いました。進学した航空宇宙工学科では、数学をはじめとした様々な知識を応用して、飛行機や人工衛星といったものを作る経験をしました。

大学院では数理工学にシフトしています。航空宇宙工学は、様々な学問を応用してものづくりや仕組みの構築につなげるもので、それぞれの学問そのものを深く研究していくものではないという側面がありました。様々な学問の力を応用していても、それぞれの中身、本質的なことは理解できていないブラックボックスのような状態と言いましょうか。それがどうにも気になってしまい、大学院では、ブラックボックスとなりがちな対象の背後にある数理を深く探求してみたくなり、数理工学を専攻しました。まさに、幼い頃から興味を持って取り組んできた数学を研究する学問ですね。

数学の分野もいろいろありますが、今社会で活用されているものとしては、アルゴリズムと機械学習が代表的です。私は大学院では特にアルゴリズムの方を、企業に入社してから自分の武器を増やすために機械学習も学びました。アルゴリズムは、簡単に説明すると社会の問題を解決するための手順を導くものです。物流の効率化などがわかりやすい例ですね。トラックにどのように荷を積んだら、どう回ったら効率化が良いかなどの、最適解を探します。機械学習は、機械にデータを与え学習させることで、精度高く作業させるものです。

それぞれ、社会の課題解決の役に立つアプローチですが、それ単体では解決できない課題もたくさんあります。Monoxerに関しても、アルゴリズム的なアプローチと機械学習的なアプローチの両方があって成果が出ている部分がありますしね。そういった観点からも、大学院まではどちらかだけ学んでいたけれども、就職を機に武器を増やすという方は、多かったように思います。

――大学院修了後、入社された会社について教えてください。

大槻:株式会社NTTデータ数理システムに就職しました。NTTデータ数理システムは、まさに数学を用いて世の中の課題を解決していこうという会社で、社内はアルゴリズム専門の部署と機械学習専門の部署があるという、かなり珍しいタイプの企業です。それまで自分が関心を持ってきたこと、学んできたことと直結する会社だと思ったので、入社を決めました。働き方としては、何か研究に従事するというよりもコンサルティング業務に近かったです。顧客の課題解決の手段は数学で、やはりそこにはこれまで学んだ知識を活用していくというものでした。6年ほどこちらで業務を担いました。

――その後、フリーランスとして活動されたとのことですが、どういった経緯があったのでしょうか?

大槻:教育に関わりたいという思いが強くなったこと、ご縁があって様々な機会をいただいたことがきっかけです。
私は、昔から情報発信することが好きで、アルゴリズムに関することなどをブログ記事にしていたんです。「Qiita」という、エンジニアに関する知識を記録・共有するためのサービスがあるのですが、そちらで記事を公開していました。

当時、アルゴリズムについて分かりやすく発信している人が少なかったこともあって、かなりの反響をいただいたんです。自分で話すのは恥ずかしいのですが、20〜30万人ほどユーザーがいる中で、全国で5位に入ったほどです。いろいろな方の目に止まり、書籍化のお話なども立て続けにいただきました。いただいた機会なのでお受けしたと考えていましたが、本業をこなしながら執筆作業も行うというのは厳しいと感じていました。それで退職を決意したのですが、会社からは、籍だけ残さないかと言っていただけて、結果、顧問という形で籍は残し、仕事自体はフリーランスに移行していったという経緯があったんです。

フリーランスに移行し、書籍などに関わっていくと、全国各地で勉強会や発表会などご依頼もいただくようになりました。高校で特別授業を行ったこともあります。教育・学びに触れる機会が増えていきました。

――いつから教育に興味を持っていたのか、関心が高まっていった経緯を教えてください。

大槻:教えるということに関しては小さい頃から興味を持っていました。幼少期から人に何か教えることが好きで、勉強に躓いている友達をサポートするのが楽しかったですし、大学生の頃は公文式のスタッフや塾講師、添削のアルバイトなどを行っていました。

社会人になり、自分が学んできたアルゴリズムのことを発信し、誰かが興味を持ってくれたことで、自分の行動を機に誰かの人生に変化が起こる、そう実感できたんです。「今まで難しくてわからなかったことが大槻さんの説明で理解できた」「大槻さんをきっかけに興味を持って勉強を始めたらエンジニアになれた」など、嬉しいお声をたくさん聞くことができました。

こうした経験の中で、自分がなぜ教育に興味を持ってきたのか、次第に言語化されていきました。

「わからないことをわかるようにするということは、誰かの人生を変えうるほどのものである」ということ。「世の中にはわからないことを苦痛と感じている方がたくさんいて、その苦痛を解消できるきっかけを与えうる」ということ。

これが明確にできたこと、実現できていると知ることができたことが、とても嬉しかったです。自分の中での教育に対する答えや、教育に対して自分ができることを見つけられた気がしました。

フリーランスの期間は、教育に対して自分が何をどこまでできるか模索する期間であったと思います。教育と一言にいっても、様々な組織やアプローチがありますし、そういったものと自分のビジョンを重ね、考える時間でもありました。その中で明らかになっていったのは、自分の理想は、"特定の誰かに”ではなく、”世界の隅々にまで全人類に”届けられる価値でした。

――その後も様々な形で教育に関わる中で、モノグサを知ったということでしょうか?

大槻:はい。モノグサは教育という観点からも注目していましたが、競技プログラミングを通して知っていました。それから、モノグサに知り合いが何人かいたので会社の様子などを聞く機会がありました。かなり早い段階から、面白そうな会社だと意識していました。

ある時CTOの畔柳さんから、カジュアル面談を受けませんかとDMをいただいたんです。とても驚きましたが、興味を持っていた会社だったので迷わずお願いしました。

実際に選考でお話を聞くことで、この会社で働きたいという思いは確固たるものになりましたね。「全人類に届けるのを諦めない」という会社の行動指針を強く感じましたし、自分が抱いている考えとも合致しました。それから、記憶を反復演習で定着させるというアプローチも、他社にはないユニークなもので、重要なものだと思えました。

また、最終面接でCEOの竹内さんからとても熱く「大槻さん!一緒に全人類に届けましょう!」と言っていただけて、ときめいてしまったんです。

一人ひとりに最適な記憶を掘り下げる楽しさ

――モノグサでの業務について教えてください。

大槻:数学のテック分解をプログラミングで実現する方法などを模索しています。わかりやすく言うと、例えば公式を憶えても問題を解けないという場合、何を憶えれば解けるようになるのかを解き明かしていくアプローチです。従来の公式集と比べると、「これを覚えれば実際に成績が上がるんだ!」と思えるものができた感触を抱いています。今後も現場の声を聞きながらコンテンツの質を改善していきたいです。

――これまで経験してきた業務との違いはありますか?

大槻:どちらも数学に関わるものですが、全く別物だと感じています。一言でいえば、今モノグサで追求しているものは「数学教育」で、前職のNTTデータ数理システムで追求していたものは「数理工学」ですね。僕はずっと同じことをやっていると飽きてしまうところがあるので、今モノグサで新しいことに挑戦できているのはワクワクします。それに、確かに業務内容自体は前職と大きく異なるのですが、前職でやっていたことも今に繋がっている感覚を抱いています。数学教育において、生徒さんが数学を学ぶモチベーションを高めるためには、「数学ってこんなふうに役立つんだ」という事例を見せられたらいいだろうと考えています。前職では、そんな事例をたくさん見つけられました。

――やりがいや楽しさ、大変な点はありますか?

大槻:使ってくださる方、一人ひとり全く違う人間なので、その人その人に合った最適な記憶の仕方も変わってきます。そこをとことん掘り下げて考えることができるのは楽しいです。モノグサに入ってから、教え方・憶え方の可能性は無限だなと感じるんです。同じ数学の内容を教える場合でも、生徒さんによって響く教え方が変わることが多々あります。問題の解法のポイントを一言で言ってもらえると助かるという生徒さんもいれば、問題の解き方を一つ一つ丁寧に追ってもらえると助かるという生徒さんもいます。生徒さんそれぞれにバリエーションと可能性、余地があるので、貢献しがいがあります。

また、一言に数学といっても、多くのコンテンツが存在していて、とても広いんですよね。さらに、まだ誰もが入りこめていない領域もあると思っています。数学において、自分たちにしか出せない価値を出せるようになりたいと思いながら取り組んでいます。そして、それを全人類に広げていきたい、心からそう思えるんです。

そこまで行き着くには、まだまだ経なくていけないフェーズがあると感じています。頭の中では様々な案を浮かべることができるのですが、それぞれ実現する形に落とし込むのは難しいけれど、楽しいんです。

コミュニティに自然に溶け込み、より良い日常を導く記憶を

――大槻さんが考える、「記憶が日常に。」が実現した世界について教えてください。

大槻:モノグサ入社の経緯でも少しお話ししましたが、記憶定着の意義は高く、そのために反復演習は重要だと考えています。勉強が人生の全てだとは考えていませんが、多くの方が人生を歩む中で、受験や就職といった学問・学歴と関連することが人生のターニングポイントになる傾向にあると考えています。逆に言えば、それ以外のことで人生を大きく変えるのはなかなか難しいと思うんですよ。例えば、YouTuberになってバズって暮らしていけるようになる、大きな夢を見つけて実現させて人生が激変する、そういう方は1割にも満たないのではないでしょうか。だからこそ、多くの方が経験するであろうことに寄与できる記憶の価値提供は意義があると思うんです。人生を確実性高く良い方向に変えうるものだと信じています。

私は人生そのものとしての価値も記憶に感じています。人それぞれ何十年と人生を送り、それぞれの経験をして、それぞれの記憶が刻まれ、その人だけの価値観・ものの見方・性格が形作られていく。「この人はどんな人生を歩んできたのだろう」「どんな人生を歩んで今ここにいるのだろう」そういうことを考えること、知ることが好きなんです。

私は、旅行が好きで、様々な地域に出かけてはその地域ならではの文化やそこで暮らす人の話を聞いています。人間は不思議なもので、それぞれ異なる存在なのにコミュニティの中で自然に溶け合うんですよね。おそらくそれは、その人その人で異なる経験が、記憶が、役割として生きている状態なのだと思います。そういった、自然にコミュニティと調和し、発展や可能性に寄与できるよう、自身もありたいと思うんです。

Monoxerを通して実現できることとして、人と人との記憶を結び付けることで、意義のある交流の仕方を見出したり、より多くの人生と人生がポジティブに交差するような世界をつくれるのではないかと想像しています。教育という特定の領域でなく、もっと広い意味で、記憶が全人類に届いた世界線です。コミュニティの発展や人と人の交流に役立つものとして、記憶の価値が表れてくるのではと期待しています。

――最後に、これからモノグサに入社される方にメッセージをお願いします!

大槻:モノグサは「どんな人生を送ってきたのか」で大いに盛り上がれる会社です。人に興味を持つ人が集まる会社だと思いますし、新しい方が入ると自己紹介をするシートを作成するのですが、私はいつもこれを楽しみに読んでいます。
これまでの経験についてお話しできるのを楽しみにしています!

モノグサ株式会社では一緒に働く仲間を募集しています。
少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひお話しましょう!