【INTERVIEW / Sales】評価制度が変われば、目指せるキャリアも広がる、モノグサの事業開発×セールスで得られる経験とスキルとは
2022年4月、セールスのポジションで入社された竹村さん。
これまでのキャリアや、現在のモノグサでの業務について、詳しくお話しいただきました。
評価制度をもっと個人の成長につなげたい
――モノグサ入社前の経歴について教えてください。
竹村:株式会社ベネッセコーポレーションに6年間在籍しました。学校営業として北陸支社でキャリアをスタートし、最初の3年間は主に石川・福井・富山にある高校を回っていました。その後の3年間は、自治体(以下、ToG)向けのプロダクトマーケティングマネージャー(以下、PMM)として、英語教育に関連する自社サービスの事業推進を担当しました。
モノグサには入社して3年目になります。最初は学校領域の営業担当として始まり、その後、専門学校を担当するユニットマネージャーを経験し、2023年には学校領域全体の領域責任者になりました。現在は、職種責任者というポジションとして、学校領域や塾、ToGなど全領域のセールス職の責任者をしています。直近1年では組織開発に関わり、特にモノグサの評価制度の改善に取り組みました。
――セールス職は、モノグサ社内でどのような役割を担っているのでしょうか?
竹村:モノグサのセールスは、社内では「事業開発」と呼ばれています。一般的な営業職と異なり、単なる数値目標の達成だけでなく、文字通り、事業を開発していくための取り組みとの両立が求められているのが他社と比べユニークな点です。
私たちは「より多くのユーザーにより良い学習体験が伴った形でMonoxerを届けたい」という想いを根底に持っています。究極的には「セールスがいなくてもユーザーにMonoxerの価値が届く世界」を目指しています。なので、目前のARRの目標達成を追うだけでなく、日々の営業活動で得た現場の声や市場の情報を基に、モノグサの事業やプロダクト自体がどのように成長すべきかを模索し、それを反映させていくことも、私たちセールスの重要な役割だと考えています。
――直近では評価制度の改善に取り組まれたということですが、これまでの制度にはどのような課題があったのか教えてください。
竹村:数値目標については、「達成したかどうか」という基準が明確なので、誰が見ても評価はわかりやすいものになります。一方で、事業開発についての評価は「どの程度の努力が必要なのか」「どんなアウトプットが求められているのか」といった内容が見えづらく、評価の透明性や評価を通じたモチベーションの向上に課題を感じていました。
加えて、セールスのメンバーには20代後半の若手も多いので、「まず目の前にいる顧客にMonoxerを使ってもらいたい」という想いが強く出る傾向があります。この想い自体は非常に大切ですが、その中で数値目標だけでなく、事業開発の重要性を理解し、それに取り組む意識を高めてもらいたいと考えていました。
――評価制度を整備するとは、具体的にどのようなことでしょうか?
竹村:前提として、モノグサでは事業開発に取り組むためにプロジェクト制を採用しています。セールスの評価は「数値目標」と「事業開発」という2つの項目で行われ、それぞれに重み付けを導入しています。例えば「数値目標」が50%の場合、さらに2つの事業開発プロジェクトにアサインされていれば「事業開発」は各プロジェクト25%ずつで計50%、合計100%のように、総合評価を算出します。
そして、評価基準についても「プロジェクトの進捗が予定通りに進んでいるか」「期日までに特定の成果物を◯個リリースできたか」といった、誰が見ても明確な基準を設定しました。これにより、評価のぶれをなくし、透明性を高める仕組みを整えています。
―― どれくらいの頻度で、評価は行われていますか?
竹村:弊社では、半期に一度評価を行っています。3か月目は中間評価、6か月目が最終評価を行いますが、特に中間評価の振り返りが重要だと思っています。期の途中に「残りの期間でどれだけ頑張れば目標を達成できるのか」をメンバーとマネージャー双方が把握できることで、必要に応じた軌道修正や確実な目標達成がしやすくなるためです。このプロセスを通じて、各個人が定量化された目標に向けてラストワンマイルの努力ができると考えています。
評価の仕組みは社内に閉じたものに思われるかもしれませんが、評価を通じた振り返りを行うことで、全メンバーが数値目標と事業開発の両立に取り組むことに繋がりますので、結果的にMonoxerというサービスをより多くの人に届ける、その届けるスピードを上げるという大きな目標に繋がる活動と捉えています。
――制度の整備によって、どのような変化がありましたか?
竹村:評価基準とウェイトが明確になったことで、評価の納得性と透明性が高まったと感じます。やるべきことがクリアになったことで、マネージャー側もメンバーの目標達成のために必要な支援がイメージしやすくなったという声や、何より最終的な評価に対してメンバーも納得感があるという声もあります。
「等級要件振り返りシート」の導入で、目指したいキャリアや得るべき経験・スキルが明確に
――組織の拡大に伴い、等級要件も柔軟に変更されていると伺いました。詳しく教えてください。
竹村:等級要件については、「どのように取り組めば要件を満たせるのか」という点で、人によって解釈や理解の差がありました。特にシニアメンバーに求められる役割は、自身の数値目標の達成だけではなく「組織の戦略を理解し率先して実行する」、「事業開発のプロジェクトオーナーとして、他部署・他職種と連携できる」、「若手メンバーをサポートする」など、多岐にわたります。そのため、組織が期待するスキルやリーダーシップを適切に伝えきることへの難しさがありました。
そこで、各等級における要件を具体的な業務例やスキル例として整理し、メンバーが目標設定しやすいよう「等級要件振り返りシート」というものを導入しました。事例に基づいて等級要件の項目を自己評価とマネージャー評価を5段階で行うといったものです。双方の評価に差がある場合、その差分を確認することで自己評価とマネージャーが求める水準のギャップに気づける仕組みになっています。特に、「リーダーシップ」など抽象的な言葉については、「具体的にどのような振る舞いが期待されるか」迷いが出る表現だったので、それらをできるだけ具体的な業務例やスキル例として明示するようにしました。
――等級要件振り返りシートを導入したことで、どのような変化がありましたか?
竹村:等級における個々人のスキルの習得状態がわかるようになりました。また、一つ上の等級への昇格を目指すときも、求められる業務やスキルを具体的にイメージできるため、自身の現状と比較でき、明確な目標を設定しやすくなったと感じています。
さらに、昇格したばかりのメンバーにとっても、自身の目標数値だけではなく、「どのような組織貢献や事業開発スキルが求められているのか」がわかるため、「何をすればよいかわからない」という状態を解消できるようになりました。
半年に一度行われる等級判定においても、昇格推薦の理由を明確に説明しやすくなりました。言い換えれば「何故昇格を進められないか」の透明性も上げることができたので、メンバーの評価制度全体の納得度も高まったのではないかと思います。
――評価の透明性が上がり、等級要件もわかりやすくなったのですね。
それに加えて、もう一つ大きな変化だと思っているのが、等級要件振り返りシートの振り返りがキャリアについて話すきっかけになっている点です。日々の業務が忙しいと、つい後回しになってしまいがちですが、メンバーが「将来どんなキャリアを歩みたいか?」「どんな働き方をしたいのか?」をメンバーとマネージャーが話す機会が持てるようになったことも、大きな変化だと思っています。
通常のセールスとは全く異なるスキルが習得できる
――セールス職のキャリアを考えるきっかけとして、新しい取り組みをされたと伺いました。ぜひ詳しく教えてください。
竹村:モノグサのセールスは、幅広い業務に携わるため、さまざまなスキルが身につくと考えておりますが、一方で「具体的にどういうスキルが身に着くのか」「そのスキルがどういったキャリアに結びつくのか」や「自分の市場価値がどの程度か」をイメージしきれない部分もありました。
そこで昨年度、新しい取り組みとして、一般的なセールス・CS・マーケティング・新規事業開発で身につくスキルと、モノグサのセールスで身につくスキルを比較して、自身のキャリアを考える場や情報提供の場を作りました。
その場では特に「モノグサにおいてどの等級でどんな事業開発スキルが身につくのか」というスキルの言語化に取り組み、組織全体とすり合わせを行いました。
――身につくスキルを比較・言語化したことで、どのようなことがわかりましたか?
竹村:スキルの比較を行ったことで、モノグサの大きな特徴の1つである事業開発を担うことで習得できるスキルの幅や経験できる業務内容は多岐に渡り、通常のセールスとは全く異なっていることが、改めて確認できました。
例えば、モノグサにはBizロードマップという職種横断で課題解決のプロジェクトを起案し、推進する仕組みがあるので、そうした機会も上手く使って事業開発のプロジェクトオーナーを担うことができます。その中で市場調査や戦略を考えたり、イネーブルメント施策を仕立てるなど、通常のセールスでは得られないPMMのような経験を積むことができます。
――等級制度に関連して、今後取り組みたいことはありますか?
竹村:ハイクラス向けの組織開発として、いわゆる部長職などのマネージャー職だけでなく、新しい領域をどんどん事業開発し、全社に大きなインパクトを与えるスペシャリストになるキャリアパスももっとたくさん用意していきたいです。キャリアが上がるほどより求められる内容は高度で抽象度が上がるため、必要なスキルの定義や求められる事業インパクトなど、具体的なイメージを持てる環境を作れればと考えています。
また、これからハイキャリアを目指す方に対しては、働き方やキャリアを考えられる機会をより意図的に設けていきたいと考えています。
規模が大きくなっても当事者意識の高さを保ち続けたい
――その他、組織開発に関して、取り組まれたことを教えてください。
竹村:モノグサは現在社員が150名ほどおり、社員数が増えると共に組織階層も増えています。現在モノグサでは「意思決定プロセスのガイドライン」というものを作ることで、権限移譲を進めて、当事者意識を高める組織づくりを行っています。
ガイドラインを作る取り組みを通じて、「意思決定者側はこういう情報が欲しい」と言語化することができます。メンバーが新たな取り組みを起案した際にも意思決定するために必要な要素が明確になるので、必要なお客様の一次情報を積極的に集め、事業開発のスピードを上げることができると考えています。
――権限委譲とは、実際のビジネスシーンで例えるとどのような場面でしょうか?
竹村:例えば、担当してるお客様に出す提案書について、上司にレビューをお願いするとします。このとき、上司がアドバイスした内容をそのまま鵜呑みにすることもできますが、それでは言われたことをやっているだけに過ぎません。そうではなく、「良い提案書をお客さんに作るために、自分は何の情報について上司からアドバイスをもらうのがいいのか?」を考えて、その情報をもとに自分で意思決定ができるようになってもらいたいです。
行った意思決定が良いものだったのか、それはすぐにはわからないこともあります。もしかしたら、良い結果にならないこともあるかもしれません。ただ、良い意思決定の確率を上げるために振り返りをしたり、意思決定プロセスを策定するなど、意思決定に必要な情報をあらかじめ言語化しておくことはできます。モノグサがこれからもっと規模の大きな組織になっても、現在のように当事者意識の高い集団であり続けるために、このプロセスを日常的なものにしていきたいです。
――最後になりますが、竹村さんが考えるモノグサのセールスとは何か?教えてください。
竹村:モノグサのセールスはただ決められたものを売ることや、個人の営業力だけで売ることではありません。モノグサの事業開発の中心は、「本質的な事業開発に繋がる活動」です。数値目標だけを達成すれば良い、とにかくたくさん売れば良いということではありません。エンドユーザーにとって良い物を提供するために、自分たちでその手段を考え用意する、根っこにある本質的な課題や市場における構造的な課題など、お客さんからの一次情報を解像度高く捉えることが、モノグサの事業開発に必要なスキルです。そして最後は届け切ることを自分たちで行う。まさに事業開発とセールスを同時にやる、これがモノグサのセールスだと私は考えています。
モノグサ株式会社では一緒に働く仲間を募集しています。
少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひお話しましょう!