灰とダイヤモンドとソフトウェア・テスト
こんにちは!やまもと@テスト番長です。
みなさんは「灰とダイヤモンド」という昔の映画をご存じでしょうか?
ポーランドの巨匠:アンジェイ・ワイダ監督の1958年の作品です。
「灰とダイヤモンド」
ドイツ軍が降伏した1945年5月8日のポーランドを舞台に、暗殺者マチェックが悩み戸惑い、標的を始末し損なって最後はゴミの山を這いずり回りながら惨めに死んでいくラストが印象的でした。
演ずるは、ポーランドのジェームス・ディーンことズビグニエフ・チブルスキー。
カッコ良すぎる。似てるメガネ探したりしたもんでした。
その昔、美大浪人していた頃、芸術的センスを磨くべく仲間たちと一緒に目ぼしい名画を借りて見まくっていたことがあり、この映画もその中の1本でした。VHSのビデオを借りてきてわくわくしながら見たのを覚えています。いやーなつかしい。
当時は情報源も限られており、なんとなくモノクロ映像かっこいい!とかチブルスキーかっこいい!くらいのミーハーさで終わっていたのですが、先日気まぐれにこの映画についてググってみました。今は検索すると楽に色々な情報が出て参りますね。便利。
「灰とダイヤモンド」という題名の元ネタはチプリアン・カミユ・ノルヴィッドという詩人の「舞台裏にて」という詩からの引用だそうです。
劇中では教会の墓碑名に刻まれていた詩として登場します。
とても印象的で美しい詩ですね。
戦禍に塗れ、辛い歴史の多き土地ならではの精神性というか、気高さを感じます。途絶えることなき戦火の果てに勝利と自由を掴み、灰の奥深くに燦然と輝くダイヤモンドが残る、、
・・・・・・・いや、ちょっと待って。待って。待って。
ダイヤって、炭素の塊だから燃えるのでは?
猛火で焼け落ちた灰の中には残らないよね?
と余計なことが頭を過ります。若い頃にはなかったおっさんの視点!まさにQAの性!綺麗なまま放っておけばいいのに!と思うけれど気になるのだから仕方がない。
ダイヤモンドは燃え残るのか?
ダイヤモンドが燃えると言っても、バーナーの火くらいでは火は付かないようですが、火葬場でご遺体が身につけていた指輪なんかは燃えてしまうようです。600度くらいから変質するそうな。
世界で一番硬いといわれている宝石ダイヤモンドは燃えるのか?
火事では1000度にもなるらしいので、たぶん戦火で街が丸ごと燃えていたりしたらダイヤモンドは耐えられないでしょう。
ともあれ、大量の灰燼の奥深くに燦然と輝くダイヤモンドがもし残ったとして、それを探し出すにはどうしたら良いのか。
これ、ソフトウェア・テストにちょっと似ている気がしませんか?
なぜなら不具合を見つけることは、燦然と輝く改善のチャンスを見つけ出すことですからね。
灰の山からダイヤモンドを見つけ出すには
ちょうど個人的にスクリーニングの技法が気になっていたところでした。
文字通り「ふるいにかける」ことを表す用語で、あまり精度を要求されない状況でよく使われる足切り的なイメージがあると思います。
ソフトウェア・テスト界隈だとあまり見かけませんし、ISTQB Glossary(用語集)で検索してもHITしません。ITの世界だとネットワーク関連の用語ということになりそうです。
でも対象が大量だったり重要なものになると、高度なロジックと長期での効果実証が求められることを最近知りました。例えば、新生児向けのマススクリーニング。赤ちゃんの疾病を早期発見して治療しようという活動ですね。
マス・スクリーニングについて
マス・スクリーニングについては以下のページが分かりやすかったです。
まだ拾い読みし始めたくらいの理解度で恐縮なのですが、
なんでも、マススクリーニングの対象となる疾病には条件があるのだそうです。
スクリーニングの原則と実践 より以下に引用します。
どうでしょう。ソフトウェア・テストに置き換えても十二分に通用しそうな原則が並んでいると思いませんか?
ソフトウェア・テストでも効率よく不具合を抽出したり予防したりすることを求められる訳ですが、その基準や方針決定のプロセスについてはしばしば非論理的だったり、短期的な目的を実現せねばならぬ、といった組織の論理に振り回されて基準がブレることって、ありがちですよね。(幸いなことに弊社ではそんなことはありませんが。)
これを見つけた時嬉しい気持ちになりました。さすが医療の世界は重みと歴史があります。
もうすぐ年末年始のお休みになりますので、ダイヤモンド(=真に見つけ出すべき不具合)を発見するためのソフトウェア・テストにおけるスクリーニングの原則をゆっくり考えてみたいなと思っています。
まだ少し早いですが、みなさま良いお年をお迎えください。
モノグサQA募集中です
てなことを考えたりしながら、毎日わいわい楽しく仕事をしております。
モノグサではQAエンジニアを大募集中です。灰の中から光り輝くダイヤモンド(のようなバグ)を一緒に探し出そうではありませんか。
面白そうだなと思った方は、ぜひご応募ください!
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