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【INTERVIEW / Contents Manager】すべては最適な記憶体験のために。多部署連携で生まれる、唯一無二のコンテンツづくり

2023年11月、Contents Managerのポジションで入社された河合さん。
これまでのキャリア、現在のモノグサでの業務について、詳しくお話しいただきました。


教育サービスの地域差に気づき、通信教育事業へ

――モノグサ入社までのキャリアについて教えてください。

河合:大学院を卒業してから、通信教育会社に就職しました。田舎の出身なので、学校や塾など都心のようにたくさんの選択肢があったわけではありませんでした。その限られた環境の中で勉強していたのですが、大学入学で上京したときに「地域によって受けられる教育サービスが全然違う」ということに気がつきました。そのきっかけから教育に興味を持つようになり、通信教育事業の会社に入りました。

最初の10年は、主に社会科の教材をつくる仕事をしていました。難関校受験対策に強みを持つ会社だったので、入試問題の分析や解説、練習問題、模試など、受験対策に関する教材づくり全般を担当していました。
残りの3年は受験指導の部署に所属して、教材をお客様に使いこなしてもらうための活動をしました。自社教材の使い方や勉強法を伝えたり、受験に関する情報提供を行ったり、個別に生徒様の成績状況や志望校をヒアリングしたうえで、学習指導の相談に乗ったりもしていました。

――コンテンツづくりの長いキャリアをお持ちなのですね。モノグサを知ったきっかけは、何だったのでしょうか?

河合:EDIXという教育に関する展示会のイベントに参加したことがきっかけでした。

受験指導では、模試の結果を見て生徒の学力やそれに合った志望校を判断します。そのため、模試を絶対的なものに思ってしまいがちですが、あくまでも模試は統計的なものです。今目の前にいる生徒の合格率が70%だったとして、どこを伸ばしてどこを補強すれば100%に近づけるのか?その道筋を立てるのには細かな分析が必要になります。

このような受験指導を行いながら、生徒の成績管理や学習指導に難しさを感じていた頃、EDIXでユーザーの立場でMonoxerと出会いました。生徒一人ひとりの学習状況を記憶度として可視化・管理し、個別最適な学習サポートに活用できそうな点から「とても便利そうだな」と思ったのが一番最初の印象でした。

――モノグサに入社する決め手は何だったのでしょうか?

河合:ひとつには、モノグサの提供サービスに価値を感じたことです。「記憶の定着が見える」という部分がユニークでした。また前職でデジタル教材の開発にも携わっていたので、Monoxerを通じてコンテンツを学習者へ届けることと自身の経験との親和性の高さも感じました。

あとは、社風にも惹かれました。それぞれがお互いをプロとして扱い、真摯に議論する文化があるところが良いなと思いました。選考段階でいろいろな方にお話を聞かせてもらったことで、入社後に自分が働くイメージを具体的に描くことができたこともよかったです。

モノグサでの記憶体験に最適なコンテンツをつくる難しさ

――現在のモノグサでの業務を教えてください。

河合:私はコンテンツチームに所属して、Monoxer上で学習するコンテンツづくり、コンテンツ作成のための仕組みづくり、新しい記憶体験の研究に取り組んでいます。

――まずは、コンテンツづくりについて詳しく教えてください。

河合:Monoxerに搭載されているコンテンツは、大きく分けて2種類あります。モノグサが独自に作成したオリジナルコンテンツと、教材会社や出版社が発行し書店で販売されている書籍をMonoxer仕様に作り替えたコンテンツです。

後者の書籍のコンテンツ化は、「すでに書籍として存在するものを、Monoxerの記憶体験に合うように落とし込む」難しさがあります。

たとえば、書籍に「○○にあてはまるものを3つ答える」問題があったとします。これを書籍そのままにMonoxerで出題すると、Monoxerの良さを生かしきれません。Monoxerでは、知識(記憶事項)ごとに一つずつ別の問題としたほうが、記憶体験がよいことが多いです。というのも、別の問題とすれば、一つひとつの記憶事項に対して正確に記憶度の把握をし、学習者の記憶度に合った出題ができるので、きちんと記憶が定着するからです。そのため、この例では、問題を3つに分け、一問一答形式で一つひとつの記憶事項を定義するようにします。

このように、書籍の問題をそのままMonoxerに搭載するのではなく、作者の出題意図、つまり記憶してほしいことをくみ取って、Monoxerでの記憶体験に適した形に作り替える必要があります。
長年コンテンツづくりに携わってきましたが、こういった取り組みはMonoxerならではだと感じます。私にとっても新しい体験でした。

――日頃、どのような部署の方とやりとりすることが多いのでしょうか?

河合:モノグサにはContent Architect(以下、CA)と呼ばれる職種があり、教科ごとにMonoxer上で最適な記憶体験を提供するためにコンテンツ内容を設計しています。オリジナルコンテンツを作成する際には、問題の原稿を社内のCAから受け取り、受け取った原稿に適した出題形式で実際の学習コンテンツを作り上げていきます。その中でも、数学は特殊な機能が必要となることが多く、エンジニアの方々が開発した機能を実際に使ってみて、ともにブラッシュアップしていくこともあります。

書籍のコンテンツ化に関しては、出版社さんとのやりとりが発生するので、窓口を担当している社内のContents Acquisition Opsとの連携が必要です。例えば、着手前の条件や仕様の調整、最後の検品など、Monoxer上で書籍コンテンツを配信するまでに必要なプロセスでやりとりをしています。

また、書籍のコンテンツ化では、モノグサのセールス・カスタマーサクセス(以下、CS)からの意見も大事です。「この顧客でこのコンテンツをこうやって使いたい」というはっきりとした要望があったうえで、出版社へMonoxerへのコンテンツ搭載のご相談をしています。その要望をしっかりと把握したうえで、Contents Managerとして、Monoxerへの搭載にあたっての課題を洗い出し、出版社や社内関係者の合意を得ながら解決していきます。

――たくさんの関係者と連携して、モノグサにとって一番良いかたちでのコンテンツが作られているのですね。続いて、コンテンツ作成のための仕組みづくりについて、取り組みを教えてください。

河合:入社当初は、Monoxerに搭載するコンテンツのデータの編集方法が、社員や案件ごとに異なっていました。チームの人数が少なかったときはそこまで問題にならなかったのですが、徐々にコンテンツチームにメンバーが増えるにつれて、問題が生じるようになりました。たとえば、他の担当者が担当した案件を参考にしようと思ったとき、編集用のファイルを読むだけでは理解が難しく、直接作成者から説明を受けないと把握しきれない、という問題がありました。

そこで、この状況を改善するために「共通フォーマット」を新たに導入しました。これにより、シートを見るだけで作成者の作問意図を把握できるようになり、作問時にチーム内で相談が必要な場合も、前提のすり合わせにかかる時間を短縮できるようになりました。また、これまで作成者ひとりの頭の中にしかなかった作問に関するノウハウや情報が他のメンバーにも共有され、チーム内での共通言語が生まれたことで、チーム全体の力をより発揮しやすい基盤を整えることができたと感じます。

モノグサに感じる「記憶のプラットフォーム」としての未来

――業務のどのような場面でやりがいを感じますか?

河合:セールスやCSから具体的な顧客の学習ニーズを要望として受け取り、それを基にコンテンツづくりが始まるため、実際の活用場面を想像しながら作成できる点は、大きなモチベーションになっています。顧客にしっかり使ってもらえるように工夫しようという気持ちになりますし、コンテンツのつくりやすさにも繋がっています。

また、モノグサはMonoxer活用による成績向上や合格者の創出といった運用の成功事例やMonoxer活用Tipsを、きちんとした根拠をもとにまとめる文化があります。そうした情報に触れることで、現場でのMonoxer活用シーンへの理解が深まります。実際の活用方法や顧客の声に触れることで、やりがいを感じられるので、いつも情報の共有・公開を楽しみにしています。

――今後、挑戦してみたいことはありますか?

河合:新しい機能を開発する職種横断のプロジェクトに参画しており、このようなプロジェクトに関われることが、とてもありがたいなと思っています。Contents Managerの立場からの意見や要望を出しつつ、成功に向けて努力したいと考えています。

プロジェクトでは、出題形式やコンテンツが記憶定着に与える影響を検証し、その結果に基づいて開発を進めています。例えば「◯◯という出題形式が学習者にとって効果的ではないか?」といった仮説を立て、学習データに基づいてその仮説を検証し、開発に反映しています。

Monoxerでは、コンテンツの表現が記憶体験に影響を与えることもわかってきました。こういった知見をもとにプロジェクトを進めるとともに、コンテンツチームでの制作にも還元していけたらと思っています。

――最後になりますが、河合さんが考えるコンテンツの未来について教えてください。

河合:世の中にあるコンテンツをMonoxerで扱うとき、再編集によって記憶体験を高められることがよくわかってきて、Contents Managerの立場の重要性を認識しているところです。身につけたい知識に対して、どのような問題を作れば記憶度を正確に計測でき、記憶の定着が図れるのか。「Monoxerで学習するための最適なコンテンツのノウハウ」を明確に示すことができるようになれば、Monoxerの価値を高められると考えています。

記憶のプラットフォーマーとしてMonoxerが大きくなっていくために必要なことだと思いますので、これからもコンテンツの面から支援していきたいです。

モノグサ株式会社では一緒に働く仲間を募集しています。
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