最終面接ボードゲームの変遷
モノグサ株式会社には、ボードゲーム文化が根付いています。
現在(2024/08/21)、オフィスには 405 個のボードゲームがあります。
これらは、ほとんどが社員の私物です。
創業以来、オフィスでは累計 1737 試合のボードゲームがプレイされています。
直近3年間の営業日ベースで見ると、平均して1日に約2試合行われています。
ボードゲームを行う機会は主に2つあります。
一つは、毎月1回のシャッフルボードゲーム会です。モノグサでは毎月1回「allHands」というイベントがあります。このイベントでは、全社員が集まり、経営陣からの全社情報の共有が行われます。その後、社員は20以上の班に分かれて約1時間のシャッフルランチ会を楽しみます。さらに、その後には13ほどの班に分かれ、約1時間のシャッフルボードゲーム会が行われます。そのため、この日には合計で13試合ほどのボードゲームが同時に行われます。
もう一つは、最終面接でのボードゲームです。
モノグサの選考では、職種問わず最終面接時に現社員数人と一緒にボードゲームをするというフローがあります。
当然のことながら、ボードゲームの勝敗が選考に影響することはありませんので、ご安心ください。モノグサの最終面接を受けられる方には、リラックスして楽しんでいただければと思います。
なぜ、最終面接でボードゲームをするようになったのか、その発案者となる CFO細川にお話を聞いてみました。
宇田川:モノグサの創業は2016年になりますが、いつくらいからオフィスでボードゲームをするようになったのでしょうか?
細川:渋谷にオフィスがあった時代(2017年くらい)には、もうやっていたと思いますね。あの塔を登るやつはよくやってましたね。
宇田川:(?)
細川:あのカードのやつで、モンスターとかアイテムとかのカードがあって、それを引いていったりして、どっかしらのタイミングで塔に登るみたいな宣言をして・・・
宇田川:ああ〜、ダンジョンオブマンダムですね!
細川:そうそれ、それをすごいやってましたね。
宇田川:最終面接の中に、ボードゲームを取り入れたのはいつからでしょうか?
細川:これは創業当初からでして、基本的には全社員が体験しています。創業者や初期の頃に一部リファラルで入った人たち、コロナで対面が難しかったときの人たちを除いて、全社員が最終面接でボードゲームをして入社していますね。
宇田川:細川さんが発案者だと以前聞いたことがあるのですが、本当でしょうか。
細川:はい、これは本当で、100%間違いないです!
宇田川:なぜ、最終面接でボードゲームをしようと思ったのでしょうか?
細川:スタートアップの多くの会社が困っていたことって採用だったんですよ。で、何かしらエッジ立てたほうが良いかなと思って。当時社員同士で行っていたボードゲームを最終面接ですれば行けるんじゃないかみたいなノリですね。
宇田川:カルチャーマッチが理由だと思ってました。
細川:後付け的にはなりますが、それもありますね。社員と話して、ボードゲームをして、会社のカルチャー、雰囲気を感じてもらって、合う合わないを候補者に判断していただければなという側面もあります。
BusinessOpsのTさんは、これがあったから採用できてるんですよ。
宇田川:え? そうなんですか?
細川:Tさんは、当時モノグサが公開していたボードゲームブログを見て、なんか面白い会社だと思って応募してくれたんですよ。
だから、やってて良かったなと思ってます。
宇田川:確かに、私もボードゲーム文化があることが入社の一つのきっかけにはなりましたね。
宇田川:今でも、最終面接でボードゲームをやり続ける理由はありますか?
細川:カルチャーマッチの観点では引き続き必要だと思ってます。
それに加えて、モノグサはユーザーも多様で、もちろん社員も多様性があると良いと思っているのですが、それでも何か変わらないものが必要で、長く続けていることってそれはそれで大事なものという気がしています。
宇田川:オフィスでボードゲームをする雰囲気が合わないという理由で入社辞退されるケースはないんでしょうか?
細川:これは実際ありました。複数の辞退理由がある中の一つだとは思いますが、カルチャーギャップを感じられていたケースはありました。それはそういうものなんだろうなと思ってまして、残っていく伝統や文化というのは万人受けするものではないことも多いので、そういう意味では残り続けて良いかなと。
宇田川:今後もボードゲーム文化を続けていくということですね。
細川:自分の中で矛盾する感覚もあって、
ネガティブなほうでいうと、職場と遊びが融合されている西海岸的な武勇伝を昔聞いたときに「仕事は仕事だろ」と思ったことはありました。
その一方で、会社という集合体・組織の一体感とか共通の行いというものがあったほうが強い。これで、組織としての一体感が生まれるので、月1の社員シャッフルボードゲームも最終面接でのボードゲームも大事だと思っています。
宇田川:今回、社員側の最終面接ボードゲーム参加回数のデータを取っていまして、実際人によって差があるなと感じました。細川さんはお忙しいとは思うのですが、参加率があまり高くないようでして。
細川:これは忸怩たる思いですね、反省です。
宇田川:細川さんだけの話ではなく、社員は最終面接のボードゲームに参加したほうが良いと思いますか?
細川:自分のことは棚上げにするんですが、ぜひ参加してほしいと思います。モノグサのValue「Amazing Peopleと働く」に該当していて、モノグサにも採用チームはもちろんいるんですが、それ以外の社員も採用には関わって自分たちで自分たちの仲間を集めていくということはすごく重要だと思っています。仲間を集めていくプロセスへの参加は重要だと思っていて、その中で一番やりやすいのは、最終面接のボードゲームに社員側として参加することだと思います。
宇田川:ありがとうございます。最後になにかありますか?
細川:エクセレント・カンパニーと言われる会社には、語り草になる人事周りの仕組みってあるんですよ。まぁ因果関係どっちだという話はあるんですけど、僕は結構それって大事な気はしているので、ボードゲームを採用で用いることはその一つになり得ると思ってます。なので、これからも続けていきたいですね。
以上がCFO細川へのインタビューでした。
役員として、モノグサのボードゲーム文化を大事にしていることが伝わってきました。
ところで、これらのボードゲームプレイのデータは、Google AppSheetで作ったお手製のアプリで管理されています。
ここからは、ボードゲームのプレイデータをもとに、モノグサにおける最終面接ボードゲームの歴史を振り返ってみましょう。
この最終面接のボードゲームでは、社員がまず数種類のボードゲームを選定し、それらの簡単なルール説明を行った後、候補者に好きなボードゲームを選んでいただきます。
社員が選定するボードゲームには、その時々のトレンドがあります。以下に示すのは、社外のゲストを招いた際に行われた 417 戦のボードゲームデータを半年ごとに集計し、各期間でプレイされたゲーム回数を全体のゲーム回数で割った割合を示すグラフです。
今回はこの中の4つのゲームをご紹介します。
1. 恐怖の古代寺院
このゲームはモノグサで最もプレイされているボードゲームであり、グラフを見て分かる通り、どの時期でもトップクラスのプレイ回数を誇ります。2チームに分かれて戦う正体隠匿系・人狼系ゲームで、ゲームの終わりまで誰がどのチームか分からないため、戦略的な会話や駆け引きが求められます。ただし、運の要素も含まれているため、多人数でも気軽に楽しめるのがポイントです。
2. ワンショットキル
このゲームは、2022年4月から9月にかけてモノグサ内で大ブームとなりました。こちらも正体隠匿系ゲームで、最初に役職カードを交換するフェイズがあり、他のプレイヤーの情報を少し知った状態でゲームが始まります。その後、2分ほどの短い時間で自由に会話をしながら各々の役職を推理します。どの情報をいつ公開するかなど、戦術や駆け引き、素早い状況把握能力、他人を説得する能力が重要です。
3. メンタルブロックス
このゲームは、2023年10月から3月にかけて流行しました。全員協力型のゲームで、3Dブロックを使って指定された立体を全員で作り上げることが目的です。各プレイヤーが異なる側面の情報を持っており、うまく情報交換をすることが成功の鍵となります。
4. ジャストワン
現在流行中のこのゲームは、お題を当てる全員協力型ゲームです。一人のプレイヤーがお題を当てる役割となり、他のプレイヤーはヒントとしてお題を連想させる単語を書きます。ただし、ヒントが他のプレイヤーと被ると無効になります。残ったヒントをもとにお題を当てるシンプルながらも頭を使うゲームで、独特かつ伝わるヒントを書けたときは非常に気持ち良いです。
これらを振り返ると、モノグサではチーム対抗戦のゲームから全員協力型のゲームへトレンドがシフトしている様子がうかがえます。この変化はもしかしたらモノグサ株式会社の組織体制の変化を反映しているのかもしれません。
昔は社員数も少なく、同じようなメンバーの組み合わせでじっくり対人戦を楽しんでいましたが、最近は社員も増え、異なるメンバーでボードゲームをすることが増えています。新しいメンバーの組み合わせで一つの物事を達成する全員協力型ゲームのほうが盛り上がりやすい印象があります。
また、おまけとして以下のようなグラフも出してみました。
このグラフは、社外のゲストを招いた際に行われた 417 戦のボードゲームにおける、社員ごとのプレイ回数のグラフです。
経営企画職の社員が1位でした。
CTOの畔柳が2位なところが、モノグサのValue「ものぐさで行こう」を体現しています。
モノグサのボードゲーム文化について詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
モノグサの最終面接におけるボードゲームは、単なる面接の一部ではなく、社員一同が楽しみにしているイベントでもあり、会社の雰囲気や文化を候補者に実感してもらう絶好の機会です。未来の仲間となる皆さんと、一緒に楽しいひとときを過ごせる日を心待ちにしています。