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心理歴史学者になりたかった子供が、大人になってモノグサに辿り着いた

この記事は Monoxer Advent Calendar 2024 7日目の記事です。

こんにちは。モノグサ株式会社でAnalysisチームのエンジニアリングマネージャーをやっている田村と申します。

皆さんは、子供の頃なりたかった職業はありますか。私は子供の頃「心理歴史学者」になりたかったのです。

ところが残念ながら、「心理歴史学者」にはどうしたってなることができません、なぜなら、心理歴史学者という職業は、アイザック・アジモフの小説『ファウンデーション』に登場する架空の職業だからです。

その小説の中で、心理歴史学者は数学的な手法で歴史を解析し、未来を予測する存在です。私はその存在に憧れ、数学と歴史に興味を持つようになりました。数学と歴史、その二つへの興味が、その後の私の人生を牽引していくことになります。

ファウンデーションは小説のタイトルですが、小説の中の集団の名前でもあります。彼らは心理歴史学者であり、来るべき人類の暗黒時代を1000年に短縮(!)するために、知識を集約して残すのです。彼らの胸にあるのは「人類への奉仕」という理念です。名を知られることはないかもしれませんが、人類の未来を影に支える彼らの姿は、幼い私の心に深く刻み込まれ、憧れを残しました。

しかし、現実は小説の世界とは異なるものでした。大学には心理歴史学科はなく、仕方がありませんでしたので、数学科に進学しました。数学は心理歴史学の基礎であったからです。大学では多くの志を同じくする仲間たちとの出会いがあり、当時はまだ黎明期にあったコンピューターや、シミュレーションゲームに触れる機会を得ました。コンピューターは、まだ基盤が剥き出しの状態で売られており、限られた性能ながらも、私にとって無限の可能性を秘めた存在でした。ラジオの制作という雑誌の閉じこみページに印刷された紙のキーボードの上で、運指の練習などしていました。これは社会を変えていく、そう確信していたのです。

また、シミュレーションゲームを通して、歴史の奥深さ、そしてその中に潜む数学的な法則性に気づかされました。シミュレーションゲームは、過去の歴史、近代の歴史、そして未来や架空の世界を題材にしており、何度も繰り返して歴史のifを試したり、仲間たちと語り合ったりする中で、様々な発見や興奮を味わいました。

それから現在まで続く、このコンピューターとゲームとの関わりが、その後のモノグサ株式会社との出会いで大きな役割を果たすことになってきます。

社会人になり、銀行員として働き始めました。社会の基盤を支える銀行という舞台で、私は数学的な手法を用いて、お金の流れを分析し、未来を予測しようとしたのです。ここに、現実世界で心理歴史学者になる道があると思ったのでした。しかし、現実の世界では、人間の感情が大きく影響し、単純な数式では捉えきれない複雑な動きを見せることが分かりました。

そこで、私はより小さな範囲に焦点を当て、コンピューターシステムを用いて、業務の効率化を図りました。ハンドヘルドコンピューターを会社に持ち込み、休憩時間にプログラムを書き、混沌とした状態にあったオフィスの書類を分析して可視化しました。それは、営業の仲間たちから大いに感謝され、その後のシステム部への異動および、システム開発での大きなモチベーションとなりました。

金融業界は常に変化を続けるものでした。一般的に知られる勘定系システム以外にも、制度面、技術面の変革に追随する新しいシステムの開発が求められました。前例のないことに対して尻込みをするメンバーが多くいましたが、まさにそれこそが私の喜びであり、人を集め、チームを組成し、共に目標に向かっていくことを繰り返しました。その中で、私は「人々が力を合わせて何かを成し遂げる」ことの素晴らしさを実感したのです。

それから大体30年ほど、様々なシステム開発に関わり、時に火消しと呼ばれる障害対応に従事しました。いずれも困難でしたが、楽しい体験でした。共に進む仲間たちがいたからこそ、乗り越えられた困難も多かったのです。

私は来年60歳を迎えます。そろそろ定年と呼ばれる年齢になりますが、私はまだまだ現役でありたいと思っていました。そんな中、モノグサ株式会社という会社に出会いました。(競技プログラミングのオフサイトコンテストでのことでした)

モノグサの社員(大橋さんでした)は、実に楽しそうに自分の会社と仕事のことを語りました。巨大なデータの塊を分析し、意味と価値を与え、プロダクトの進むべき方向を示す仕事であると。そして、急速に組織が大きくなっている中、チームの力を引き出す役割も求められているということです。

キラキラした瞳がどうしても忘れられなくなった私は、フラフラとモノグサの求人に応募しました。そして、CTOに会ったところ、彼の瞳もキラキラしていました。本当に楽しそうにシステムのことを語ります。私は思いました「ダメだ、これはファウンデーションかもしれない」

さらにCEO/CFOに会ったところ、なんと驚くことに、モノグサのバリューの一つは「人類への奉仕」でした。(当然、CEO/CFOの瞳もキラキラしていました)私は更に思いました「もうだめだ。これはファウンデーションだ。入るしかない。いや、入れてください。」

その後色々あって、私はモノグサ株式会社でAnalysisチームのエンジニアリングマネージャーとして働いています。自分でプログラムもどんどん書いています。入る前の印象と、入った後の印象は、あんまり変わりません。今では私の瞳もキラキラしていると思います。

架空の夢だったと思っていましたが、現実に「人類への奉仕」を胸に抱いて仕事ができるようになるとは、本当に不思議なことだなと思いつつ、嬉しい気持ちです。また、大規模な組織であった銀行システム開発の現場で得たことも、何ら無駄にならず現在の仕事に役立っています。私のような経歴であっても、モノグサでは活躍の場がある。それがモノグサの素晴らしさだと思います。


モノグサ株式会社では一緒に働く仲間を募集しています。
少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひお話しましょう!

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