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2代目編集長による、Slack社内報16ヶ月のちょっとした進化

2023年1月からモノグサ2人目の広報としてPRチームに所属している大場です。モノグサでは約1年半、カスタマーサクセスを経験した後、広報にジョブチェンジしました。

モノグサの広報では、モノグサ社自体のコーポレートPR、記憶のプラットフォーム「Monoxer」のマーケティングPR、採用広報、インナーブランディングと、大きく4つの領域に分かれています。これらの領域での情報の発信と受信を通して、各ステークホルダーとの関係構築を行っており、全ての領域に対して日々アクションを起こしております。
今回はその中でも、広報に異動して早々に編集長の座を引き継いだインナーブランディング領域の「Slack社内報」のちょっとした進化についてお話できればと思います。


Slack社内報とは

Slack社内報は、モノグサの1人目広報かつ初代編集長であるPRの中村さんが、組織の拡大に伴い、日々社内で大量にやりとりされる膨大なフロー情報をまとめ、メンバーが確認できる仕組みを作れないかと考えたことがきっかけで運営が始まりました。

💡Slack社内報の起源について【こちら】の記事をご一読ください!

2代目編集長としての初めてのお仕事

広報に異動することも確定した12月某日、2代目編集長の初仕事として1月公開号の【知ってる?!モノグサ】への寄稿が舞い込んできました。

編集長は毎月1本【知ってる?!モノグサ】という企画枠で好きな記事を書くのですが、果たして何を書けばいいのか・・・テーマ決めにとても苦しみました。
悩んだ挙句の処女作のタイトルは「22年やり残したこと&23年目標/挑戦したいこと」。年末年始という時期と、メンバーの皆さまのお力にあやかり、社内アンケートを行った結果をカテゴリー分けし、私のコメントを添えた記事として公開をしました。

多くのメンバーからの協力に支えられた記事だったなと、大大大感謝な気持ちでいっぱいな一方、「社内報を運営する立場として、私自身が誰にどんな情報を届けたいのか?」煮え切らない思いが残る企画となっておりました。

モノグサにとっての「Slack社内報」ってなんだっけ?

Slack社内報の“いちファン”だっただけに、代替わりによって元の良さを損なうことだけは避けたい、寧ろさらに“モノグサらしさ”を感じて貰えるコンテンツをメンバーに届けたいと思い、改めてインナーコミュニケーション上の課題を整理し、Slack社内報の運用目的やあるべき姿を整理しました。

◇組織拡大によって起こるインナーコミュニケーション上の課題の仮説
モノグサの社員数はこの2年で2倍以上に増えており、元々組織拡大をきっかけにSlack社内報が誕生している背景があることから、「組織拡大」に限定し課題の仮説立てを行いました。

  1. 社内でやりとりされる情報量の増加に伴い、全社・各事業部の方針や現状の動きに関する情報が拾いきれなくなることで、日々の業務と企業方針の整合性が取りにくくなり、仕事の価値が見えにくくなっている

  2. 多様な入社年次のメンバーが増えてくることで、メンバー間でコミュニケーションのハードルの高さを感じやすくなり、部署・チームを超えた業務連携や遂行が以前と比べ行いにくくなっている

◇Slack社内報の運用目的
これらの課題に対して、運用目的は2点にまとめました。

  1. モノグサの経営・事業に関わる重要事項(※)やバリューやカルチャーについての理解を間接的に深めることができる情報を発信する

  2. モノグサメンバーについて理解を深め、コミュニケーションを取るきっかけとなる情報を発信する

(※)モノグサでは、Corporate Plannningが経営方針・戦略に関わる情報の発信を積極的に全社向けに行っています。Slack社内報で扱う情報は、メンバーに最低限取りこぼして欲しくない情報のみに絞りました。

◇Slack社内報の運用目標
インナーブランディング上の目標を「モノグサメンバーの働く原動力の“隠し調味料”をつくる」と設定し、Slack社内報はその“隠し調味料”の1つとして機能させることを目指すことにしました。

私たちは、「記憶」という未知の領域に挑戦する会社に所属しています。この中で、ボードメンバーの考えや、業務中では知ることができないメンバーの意外な一面を知る機会を提供したいと考えました。
また、部門・職種を超えた業務の動きや、自身の業務の重要性を再確認するきっかけとなることで、モノグサメンバーがより活き活きと活躍できる環境を作っていきたいと考えました。

具体的には、読者であるメンバーがSlack社内報を読むことで、下記のようなきっかけが作られる状態を目指していくことにしました。

  • 企業方針や自分の役割、メンバーの業務外の側面について知る機会が増え、業務内容問わずメンバー同士のコミュニケーションが円滑になる

  • (もう一段階先の話ですが)Slack社内報の情報を基に、業務への気づきや議論が生まれ、ポジティブな副産物が生まれる(事業部を超えた協業など)

企画内容のアップデート

執筆テーマの再定義

これら整理した内容を柱に、まずは私の中でも一番発信する内容に悩み、かつ、一番自由度高くメンバーに対して直接メッセージを届けることができる【知ってる?!モノグサ】の執筆テーマを明確にしていくことから始めました。

◇扱うトピックス

  • モノグサの事業内容・カルチャー(ミッション・バリュー含む)

  • モノグサメンバーに関連する内容

◇【知ってる?!モノグサ】を読んだ後のモノグサメンバーの理想の姿

  • モノグサをもっと好きになる

  • モノグサが下す判断に対して、モノグサメンバーが納得性を高めることができる

  • モノグサメンバーの視座を高め、自身の業務に対して意思決定を下しやすくなる

上記に当てはまる場合にも、中には目的にブレが生じる内容や、会社の公式媒体として企業方針から逸れた内容が発信されることを防ぐため、あえて扱わないトピックスの整理も行いました。

◇あえて扱わないトピックス

  •  事実のみを伝える内容

どんな理由や背景を踏まえ、意思決定が行われたのかまでをセットで提示することで初めてモノグサとしての考えや価値観について知ることができると考えました。本当の意味での企業理解につなげるために、表層だけの情報発信は行わないようにしました。

これらを基にテーマを決め、これまで下記のようなタイトルの記事を執筆してきました。

【知ってる?!モノグサ】で公開した記事

会社の事業内容やカルチャーなど、歴史を遡って現状を紐解いていく必要があるストーリーについては、それに精通するメンバーにインタビューを行い、記事自体もインタビュー×コラム記事のように仕上げていきました。

『【知ってる?!モノグサ】教えて!畔柳さん、ボードゲームがモノグサのカルチャーになるまで』CTO畔柳さんへインタビューした内容を記事化

時にはSlack上に眠るモノグサの歴史的な投稿を発掘し、それを基に一人語りをする記事を書いたり、General Affairsの藤下さんから相談を受けた「社内で扱うコーヒーブランドどうする問題」では試飲イベントを社内報連動企画として実施し、当日の様子と結果発表を記事化したりしました。

『【知ってる?!モノグサ】新レギュラーコーヒー決定‼ドトールの味はわかるかな?』社内連動企画として展開し、GAのお悩み解決をお手伝い

ノウハウ共有では「議事録の書き方」をテーマに議事録執筆が得意なメンバーのレクチャー動画をPRチームの学生インターンMaxさんのサポートを借りながら撮影&編集し、社内で議事録が上手いと名高いメンバー複数名にはデモの会議内容を基に議事録を作成してもらい公開するという、完全メンバー巻き込み型の記事作成も行いました。

既存企画のリニューアル

Slack上で投稿されたメンバー間で共有したい素晴らしい事例を紹介する『Amazingな話』という企画は、『Valueの体現談』という企画にリニューアルを行いました。

モノグサでは、「記憶を日常に。」というミッションを実現するうえで大切な振る舞いを4つのバリューと10コの行動指針に落とし込んでいます。『Amazingな話』もまさしく【バリュー:事業へのオーナーシップ、行動指針:Amazing Peopleと働く】から誕生した企画でした。

モノグサのバリューと行動指針

一方で、Slack社内報に掲載する投稿の候補は、メンバーが「もしかしたら社内報に載るかもしれません」というSlackスタンプを任意で該当の投稿に押すことでエントリーされます。

このスタンプが押された投稿を月末に編集部で目検で内容を確認し、どの企画で各投稿を紹介するかを判断・分類していました。そのため、時としてより多くのメンバーに知ってもらいたいと感じる、素晴らしい投稿を拾いきれないということもありました。

そこでモノグサのSlackスタンプ文化が根強いことを活かし、モノグサのバリューと行動指針に関連するSlackスタンプが一定数以上押された投稿をまとめて公開する企画へリニューアルしました。
該当のスタンプが押下された投稿はZapierを通じてスプレッドシートに蓄積される仕組みを活用しています。

💡Slackスタンプ文化の詳細は【こちら】の記事をご一読ください!

モノグサのバリューと行動指針に関連するslackスタンプ一覧
『Valueの体現談』で紹介された投稿

モノグサでは成果を創出するためのプロセスを「価値観行動評価」として評価する制度があり、評価項目は行動指針になります。なので、評価時にこの企画も参考に、日々の行動の振り返りをしてくれるメンバー・マネージャーが増えればなぁと心の中で思っております。

💡評価制度の詳細は、【こちら】の記事をご一読ください!

『開けたコミュニケーションの場』に向けて

メンバー参加型!「特集」企画を促進

モノグサメンバーが好きな内容を1本の記事として公開いただく「特集」という企画があります。
これまでは、Slack社内報ファンの方や推薦により毎月2名程度に参加いただいていましたが、より多くの方に社内報は身近なコミュニケーションの場であることを感じてもらいたく、各月5名の記事を公開することを目標に、異なる部門・職種の方にご参加いただけるよう、声がけを行いました。

結果、16ヶ月間で計77本81名に記事執筆いただき、24年5月号時点で全社員数の約57%にご参加いただいた企画となりました。

執筆スカウトは30分の1on1で行いました。「そろそろ自分の番が来ると思ってました!」や「Slack社内報を毎月楽しみにしているので、特集に参加できて嬉しいです!」といった声を月を重ねるごとに多くいただくようになり、「とうとう、XXXさんの番がやってきました!」と受け答えするやりとりに嬉しさを感じる機会も増えていきました。

昨年行った特集執筆者に向けたアンケートでは、特集への参加をきっかけに
約52%が「仕事上の会話しかしたことがないメンバーから、雑談をふられるようになった」、約42%が「仕事上の会話しかしたことがないメンバーと、雑談をしやすくなった」と回答いただき、メンバー間のコミュニケーションのきっかけのひとつになれたのかなと感じております。

Slack社内報で紹介した記事をメンバー間で再共有いただいたり、自身の自己紹介シートに特集記事のリンクを載せていただいたり、カルチャーの浸透やメンバー理解の促進をメンバー同士で行っていただく姿も拝見できることも増えてきたと感じます。

また、特集記事に対し、気軽に感想を伝えられないか中村さんに相談したところ、「Yahoo!ニュースみたいに記事に対してリアクションできたら良さそうですよね!」とアイデアをいただき、即Escalation Engineerの村上さんにご相談。あれよあれよと記事に対してリアクションできる機能を設置いただきました。

3種のスタンプ押下により、記事の感想を筆者へ気軽に届けることが可能

つい読みたくなる!小さな仕掛け

細かくなりますが、気軽に社内報に関わっていただける機会を多く作れるような運用変更も行いました。
従来Slack社内報は専用のチャンネルで月に1回、公開のお知らせのみを行っていました。そのため、公開時には多くの方が目を通してくれる一方、月に2回以上見直しに行くことはおろか、公開日当日の通知を見過ごしてしまうと読み忘れてしまう媒体となっていました。
そこで、Slack社内報内に設けていた掲示板を公開のお知らせを行っているSlackのスレッド内にお引越しをし、リアルタイムで他のメンバーがSlack社内報を読んだ感想を確認できるようにしました。 

また、毎月の定番企画9本+特集記事5本、計14本の記事を一度に公開をしていたので、全ての記事を消費することへのハードルの高さもありました。
全ての記事を無理なく楽しく読んでもらえるよう、Slack社内報の公開初日は定番企画のみを公開し、特集記事は1日1本ずつ、約1週間かけて公開する運用方法に切り替えました。

こういった小さな進化を積み重ねていくことで、年間平均閲読率は73.8%と1年前と比べ約1.3倍に増加しました。

今年度からはPRチームの学生インターンとして大活躍をしてくれているMaxさんに3代目の編集長を引き継いでおります。

社内報=メンバーによって作り上げられるもの

改めて社内報とは会社に所属するメンバーによって作り上げることができる媒体なのだと編集長を担当することで実感いたしました。
特にモノグサメンバーの社内報への協力に対する理解の深さ、記事執筆では文章能力の高さには毎月度肝を抜かれ、脱帽するばかりです。
また、読者の皆さまが毎月アンケートに回答をいただくことで、多くの進化を続けることができました。
モノグサの皆さまには感謝という言葉だけではこの想いを伝えきれない気持ちでいっぱいです。

この記事を社内報を運営に携わる方が読んでいたら、社内報の良さを引き出すためにも、是非社内メンバーを存分に巻き込んだ企画を入れ込むことを強くおススメしたいです。

最後に、現在モノグサではメンバーによるnote記事の発信に力を入れております!モノグサの魅力を多くの方に知っていただける機会になればと思うので、今後もモノグサnoteの公開記事にこうご期待ください!

モノグサ株式会社では一緒に働く仲間を募集しています。
少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひお話しましょう!

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